2023.10.06
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■NEWS 医師働き方改革や「救急医療管理加算」などを議論―入院・外来医療分科会

メディカルサポネット 編集部からのコメント

来年度の診療報酬改定について、医師の働き方についても議論が進んでいます。

入院・外来医療等の調査・評価分科会(診療報酬調査専門組織)では、医師等の働き方改革や救急医療管理加算などについての議論が行われ、救急搬送の件数だけではなく他の貢献も考慮するべきという意見や、地域ごとのレセプト審査基準に解消されるべき差異があるというような意見が出されました。

        

診療報酬調査専門組織の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」は9月29日、医師等の働き方改革や「救急医療管理加算」などについて意見を交わした。働き方改革では「地域医療体制確保加算」の救急搬送要件の緩和が、「救急医療管理加算」では対象患者の基準の明確化などが論点となった。

   

「地域医療体制確保加算」(520点)は、救急医療に従事する勤務医の処遇改善の取り組みを評価する報酬。直近のデータによると、病床規模別の算定割合は、「400床以上」のうち63.7%、「200~399床」では23.7%の病院が算定している。非届出施設が満たせない要件では、救急搬送に関する実績要件(救急搬送件数が年2000件以上など)を挙げる施設が最も多い。

    

津留英智委員(全日本病院協会常任理事)は、二次救急医療機関が多いと考えられる200〜399床の算定割合が2割にとどまる点を問題視し、「救急搬送が年2000件以下でも地域の救急医療に貢献している施設はあり、要件を柔軟にすべきだ」と訴えた。山本修一委員(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)もこれに同調し、「2000件にこだわらず、加算を段階的に設定してはどうか」と提案した。

   

■「救急医療管理加算」の加算にばらつき、見直しは働き方改革の影響見極めた上で

    

一方、「救急医療管理加算」は、患者の重症度をより適切に把握することができるよう、前回改定で、算定対象となる状態の一部について入院時の重症度に関する指標の値の記載を求める見直しが行われた。

    

改定後のデータ分析によると、重症度の指標の値と患者の転帰は相関していることが判明。例えば「意識障害又は昏睡」の患者ではJCSが高値であるほど患者の死亡率が高い。しかし、JCSが0〜30で「加算1」を算定している施設や、逆にJCSが300であっても「加算2」を算定している施設があるなど、「加算1、2」の選択が重症度に関係なく行われている実態も浮き彫りになった。

   

牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は、こうした問題の背景にはレセプトの審査基準の地域差があり、査定を受けたことを理由にやむを得ず「加算2」を算定している場合があると説明。地域差解消のためには対象患者の基準の明確化が不可欠との認識を示した。これに対して山本委員は、「働き方改革が二次救急に与える影響を見た上で、厳格化や線引きを考えるべきだ」と慎重な検討を促した。

                                   

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 出典:Web医事新報

     

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