2023.05.31
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ICT機器活用や経営の協働化・大規模化を提言
ケアマネジメントの利用者負担の導入も 財政審建議

メディカルサポネット 編集部からのコメント

財務相の諮問機関である、財政制度審議会が、財政運営に関する提言をまとめました。その中には介護に関する改善提案も含まれています。

10年後には団塊の世代が85歳以上となり、介護が必要な人が急激に増加することを踏まえ、ICTなど新技術の活用、介護事業者の大規模化、利用者負担の拡大といった案が盛り込まれています。

                       

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、29日にまとめた財政運営に関する提言に、介護分野の改革案も盛り込んだ。団塊世代が85歳以上となる10年後には介護費用の急激な増加が見込まれることから、ICT機器の活用や経営の協働化・大規模化、また介護保険の利用者負担の見直しやケアマネジメントの利用者負担などを進める必要があると主張した。【大月えり奈】

  

 提言では、▽ICT機器の活用による人員配置の効率化▽協働化・大規模化による多様な人員配置▽給付の効率化(介護報酬改定、利用者負担、給付範囲の見直し)-などを盛り込んだ。

  

 ICT機器については、いわゆる見守りシステムや、会話の音声を自動でメモにする作業支援システムなどを活用して業務負担が軽減した事例などが示され、こうした機器を活用した生産性の向上や人員配置の効率化が必要だとした。

   

 また経営の協働化・大規模化も提案。社会福祉法人については1法人1-2拠点の小規模な形態が全体の過半数を占めており、それらの利益率は低調だとしている。そのため他の法人と連携し、物資の共同購入や人材交流などを行うことで経営基盤を強化する必要があるとしている。

  

 建議には介護保険の利用者負担の見直しも盛り込まれた。

  

 介護保険の利用者負担(2割負担)の範囲を現行の所得上位20%から拡大する案について、ただちに結論を出す必要があるとした。また現役世代並み所得(3割)等の判断基準を見直すことも検討していくべきだとした。

  

 このほか、第10期介護保険事業計画(27-29年度)の開始までに結論を得るべき事項として、▽要介護1・2の人に提供する訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行▽ケアマネジメントへの利用者負担の導入-を挙げた。

   

 要介護1・2の訪問介護・通所介護は、要支援者と同様、市町村が行う地域支援事業への移行を目指すことを提言した。

   

 ケアマネジメント(居宅介護支援)への利用者負担は10期からの導入を求めた。ケアマネジメントの費用に現在、利用者負担はないが、介護施設でケアマネジャーが施設サービス計画を作るための費用には、基本サービスの一部として利用者負担がある。

   

 そのため財政審は、施設と在宅の間で公平性が確保されていないと指摘した。

                     

 出典医療介護CBニュース

     

      

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