2023.05.29
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スマホ音声入力、記録業務が月7.8時間減の見込み
奈良県とNTT Com、実証実験で検証

メディカルサポネット 編集部からのコメント

もし、電子カルテのキーボードやフリック入力を、音声入力にしてみたら、労働時間が短縮できるのでしょうか?奈良県総合リハビリテーションセンターの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(計約40人)の協力で、奈良県とNTT Comが「AI音声認識ワークシェアリング」を利用した電カル記録実証実験をした所、利用頻度が高い参加者のほぼ全員から業務負荷が軽減されたいう回答がしめされたとのことです。

この音声入力システムが本格導入された場合、奈良県などは月にひとり当たり7~8時間の記録時間削減効果が見込めると推測しています。

                    

 医療従事者がスマートフォンを使って電子カルテに音声入力を行ったところ、1人当たりの記録業務が1カ月で約7.8時間削減される見込みだとする実証実験の検証結果を、奈良県とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が発表した。スマートフォンを貸与し利活用することで、医師らの「働き方改革」に寄与することが確認できたとしている。【松村秀士】

    

 この実証実験は、休日労働を含む医師の時間外労働の上限が2024年4月以降、罰則付きで規制されるのを見据えたもので、奈良県とNTT Comが連携して23年1-3月に実施した。

    

 具体的には、奈良県総合リハビリテーションセンターの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(計約40人)に貸与していたPHSに代わってスマートフォンを貸与した上で、「AI音声認識ワークシェアリング」を活用した電子カルテ入力を導入。記録業務の削減効果を検証した。

   

 利用者の位置情報を取得して分析したところ、1日の勤務時間のうち、多い人で約3割を電子カルテの入力業務が占めていることが分かった。実験後に行ったアンケートでは、AI音声認識ワークシェアリングの利用頻度が高い利用者の全員から、「記録業務負荷が軽減された」との回答を得た。

    

 利用者の勤務データや過去の導入事例を踏まえ、奈良県などは、本格的に導入した場合には同センターでの利用者1人当たりの記録業務について月7.8時間程度の削減効果が出ると推測している。

   

■スマホでの業務フロー見直し、「働き方改革の一助に」

    

 実証実験ではまた、携帯型のビーコンを用いて位置情報を取得し、同センターと市立奈良病院の職員(計約80人)の導線や所在場所の滞在時間を把握・分析した。

   

 その結果、医療行為を行っている時間を除いた勤務時間の中で、移動時間が2割近くを占めており、特にフロア間の移動が非常に多いことが分かった。

     

 奈良県などは、「チャットツールによるコミュニケーション改革も移動時間の削減への効果が期待できることから、スマートフォンを活用した業務フローの見直しが働き方改革の一助となると想定される」と指摘している。

    

 このほか、同センターに議事録作成支援ツールを試験的に導入したところ、利用者へのアンケートでは「負担軽減」「時間外勤務削減」「記載内容漏れ・忘れ抑止」「記載内容の質向上」「記載情報の紛失リスク低減」「医療提供サービスの質向上」の6つの観点で高い評価結果を得られたという。

                 

 出典医療介護CBニュース

     

      

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