2021.03.26
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現在の医療体制では変異株に対応できない危険性も
東京都コロナモニタリング会議専門家コメント

メディカルサポネット 編集部からのコメント

東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議が開かれ、「新規陽性者数は高い値で推移し、その増加比も継続して100%を超えている」と指摘するなど専門家によるコメント・意見が公表されました。その中で、従来株と比較して感染力が強い変異株が問題となっていることも取り上げられ、「現在の医療提供体制の状況では、変異株による急激な感染再拡大には対応できなくなる危険性がある」と警笛を鳴らしています。

 

 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(第38回)が25日、都庁で開かれた。公表された「専門家によるモニタリングコメント・意見」では、「新規陽性者数は高い値で推移し、その増加比も継続して100%を超えている」と指摘。「今後、変異株等により急激に感染が再拡大する可能性を踏まえ、増加比の推移には警戒が必要である」としている。【新井哉】

 

 コメント・意見では、24日時点の入院患者数について、前回(17日時点)の1,270人から1,371人となっていることに触れ、「増加傾向にある」と指摘。従来株と比較して感染力が強い変異株が問題となっていることも取り上げ、「現在の医療提供体制の状況では、変異株による急激な感染再拡大には対応できなくなる危険性がある」としている。

 

 重症患者(人工呼吸器またはECMO使用)は24日の時点で42人(前回は41人)となっており、「今一度、実効性のある感染防止対策を徹底し、重症化リスクの高い高齢者層の新規陽性者数を減らすことが重要である」としている。

 

 16日から22日までに、新たに患者21人が人工呼吸器を装着した一方で、11人が人工呼吸器から離脱した。人工呼吸器使用中に死亡した患者が8人いた。この期間に新たにECMO(体外式膜型人工肺)を導入した患者はいなかった。ECMOから離脱した患者は2人いた。24日の時点で、人工呼吸器を装着している患者42人のうち1人がECMOを使用している。

 

 重症患者の年代別の内訳については、70歳代が15人、60歳代が9人、80歳代が8人、40歳代と50歳代がいずれも4人、90歳代が2人となっていることも説明している。 

 

 

出典:医療介護CBニュース

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