2019.10.30
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アトピー性皮膚炎で初のJAK阻害薬「コレクチム」近く承認へ―医薬品第一部会

メディカルサポネット 編集部からのコメント

25日に令和元年度 第5回薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会)が開催され、新機序のアトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム軟膏0.5%」などの医薬品製造販売の申請が承認されました。アトピー性皮膚炎の薬物治療において、顔面や頸部への使用は原則ミディアムクラス以下の薬を使用するよう推奨されています。コレクチムは顔にも使用可能です。ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、サイトカインシグナルを伝達するJAKを阻害し、サイトカイン刺激により誘発される免疫細胞や炎症細胞の活性化を抑制します。

  

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は10月25日、新機序のアトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム軟膏0.5%」(日本たばこ産業、一般名:デルゴシチニブ)などの医薬品製造販売の申請を承認した(表)。近く正式に承認される見込み。

  

コレクチムは、承認されれば初のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬。サイトカインシグナルを伝達するJAKを阻害し、サイトカイン刺激により誘発される免疫細胞や炎症細胞の活性化を抑制する。顔にも使用可能。

  

作用機序は異なるが同様の効能・効果を持つ製剤としては、「プロトピック軟膏0.1%」(タクロリムス水和物)、「リドメックスコーワ軟膏0.3%」(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、「リンデロン-V軟膏0.12%」(ベタメタゾン吉草酸エステル)がある。

  

 アトピー性皮膚炎の薬物治療では、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏が使用されている。しかしステロイド外用薬は皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイドざ瘡、ステロイド潮紅等の局所における副作用が知られており、顔面や頸部への使用は原則ミディアムクラス以下の薬を使用するよう推奨されている。また、タクロリムス軟膏は、灼熱感等の皮膚刺激性が知られており、血中への移行が高くなる可能性のあるびらんや潰瘍面には使用できないなどの制約がある。

  

表 近く承認が見込まれる医薬品(25日の部会で了承・報告された主な品目)

 

 

 出典:Web医事新報

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