2019.05.13
3

PTPシートのまま飲み込んだ患者が救急搬送も
医療機能評価機構が「共有すべき事例」公表

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部が共有すべき事例 2019年 No.4を公表しました。今回は「PTPシートの誤飲」が取り上げられています。以前、同じような事例が発生した医療機関では「必要がなければ、PTPシートは1錠ずつ切り離さない」「患者の理解力に合わせて、可能な限り一包化する」「患者にPTPシートの誤飲防止の説明を行う」といった取り組みを行っているそうです。改善策に「絶対」はありません。患者に寄り添う気持ちと注意力で事故防止に努めましょう。

  

 日本医療機能評価機構は、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例」を公表した。定期薬の一包化が薬剤服用歴の表紙に記載されていたが、処方箋に一包化の指示がなかったため、PTPシートのまま調製し交付したところ、患者がPTPシートのまま飲み込み、救急車で受診したケースを取り上げ、「薬剤服用歴などを利用して患者情報を管理し、調剤を行う際は、患者情報を必ず確認してから実施することが重要」としている。【新井哉】

 

日本医療機能評価機構が公表した薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例」

 

 今回取り上げたケースでは、脳出血の既往歴のある70歳代の患者に、臨時薬としてアンブロキソール塩酸塩15mg「サワイ」とデキストロメトルファン臭化水素酸塩錠15mg「NP」が5日分処方された。患者は薬剤の飲み忘れや飲み間違いがあったため、定期薬の処方箋には一包化の指示があり、薬剤服用歴の表紙にもそのことが記載されていた。

 

 しかし、この時の処方箋には一包化の指示がなく、薬剤を受け取った家族も一包化されていないことに気付いたが、急いでいたため、そのまま受け取った。帰宅後に家族がPTPシートを1錠ずつ切り離して患者に渡したところ、患者はPTPシートのまま飲み込んだ。薬局にその連絡があり、薬局が主治医に連絡。患者は救急搬送され、飲み込んだPTPシートを取り出すため、胃内視鏡による処置を受けたという。

 

 この薬局は、▽薬剤服用歴の患者メモの内容を赤字で表示する▽処方箋の入力時、調製時、鑑査時に一包化の指示を見落とさないよう注意する▽交付時に、患者または家族と薬剤を確認してから薬袋に入れるよう徹底する―といった改善策を考えたという。

 

 出典:医療介護CBニュース

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP