2022.03.07
5

採用に苦戦する病院の典型的パターン
――(3)人材紹介会社を活用しきれていない

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.8

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.8

 

編集部より

思ったように看護師を集めることができず、頭を悩ませている病院は少なくないでしょう。より効率的に、より確実に、より自院にマッチした人材を集めるためには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。本シリーズでは、医療業界の採用に長年携わってきた株式会社ITA取締役副社長の吉本賢次氏に、実例を踏まえた看護師採用のポイントを語っていただきます。第8回のテーマは、看護師採用において重要な役割を果たす人材紹介会社との付き合い方です。

 

取材・文/中澤 仁美(ナレッジリング)

撮影/和知 明(株式会社BrightEN photo)

編集/メディカルサポネット編集部

 

人材紹介会社への情報提供、本当に十分ですか?

 

売り手市場の傾向が顕著な近年の看護師採用において、人材紹介会社は欠かすことのできない存在です。その力なくしては、ブランド病院のようなごく一部の例外を除いて、看護師を充足し続けられる病院は非常に少ないのが実情ではないでしょうか。一方で、人材紹介会社を上手に活用できていないケースも散見され「期待より紹介数が少ない」「思ったような人材が回ってこない」といった不満を抱いている採用担当者も少なくないようです。

 

人材紹介会社との付き合い方を考える上で、まず確認したいのが「病院側からの情報提供の質と量」です。この点が不十分な病院は、当然のことながら、欲しい人材をなかなか確保できません。自院の現状を踏まえ、いつまでに何人欲しいのか(どのくらい事態が切迫しているか)、どんな経験や年齢層の看護師が理想的か(あるいはどんなNG事項があるか)を、できるだけ詳しく提示することが重要です。「夜勤は月〇回以上できる方」「〇人中〇人までは准看護師も可」などと、できるだけ具体的な情報に落とし込むことを意識しましょう。

 

また、定期的に情報を更新していくことも大切です。採用状況は時々刻々と変わっていくはずですし、それに応じて求める看護師像や人数も調整するはずです。そうした点を継続的に発信し、常に新鮮な情報を人材紹介会社に届けることも採用担当者の役割です。うっかり期間が空いてしまわないように、連絡するタイミングや頻度をあらかじめ決めておくことも一案です。「よろしくね」と頼んでおけば看護師が次々と扉をたたいてくるようなイメージから抜け出し、自院のニーズを分かりやすく提示することで「選ばれる病院」をめざしたいところです。

 

 

 

 

何社の人材紹介会社と関係を築くべきかはケースバイケースですが、年間で10人以上を人材紹介会社経由で採用するような場合は、いわゆる「大手」にはすべて依頼するくらいの姿勢が必要だと思います。「昔から付き合いがあって安心だから」といった理由で特定の会社だけに頼っていると、看護師市場全体においてカバーできる範囲が狭くなりすぎてしまい、結果的に紹介数が頭打ちになるおそれもあります。

 

 

 

病院を支えてくれる「理想的な担当者」の3つの条件

 

ここで、私が考える「優れた人材紹介会社とその担当者」の特徴をご紹介しましょう。まずは何より、きちんと報連相をしてくれることです。日ごろからレスポンスが速いことはもちろんですが、「内定を出した看護師が他院への入職を決めてしまった」といった、どちらかと言えば連絡しづらいようなことでも正直に伝えてくれる担当者は信頼に足ると思います。

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP