2021.11.24
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なぜ、あの病院は「勝てる採用」ができたのか?
――採用コスト削減編

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.4

 

編集部より

思ったように看護師を集めることができず、頭を悩ませている病院は少なくないでしょう。より効率的に、より確実に、より自院にマッチした人材を集めるためには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。本シリーズでは、医療業界の採用に長年携わってきた株式会社ITA取締役副社長の吉本賢次氏に、実例を踏まえた看護師採用のポイントを語っていただきます。第4回となる今回のテーマは、「離職率ダウン」と「自己応募率アップ」による看護師の純増確保です。

 

取材・文/中澤 仁美(ナレッジリング)

撮影/和知 明(株式会社BrightEN photo)

編集/メディカルサポネット編集部

 

 

【ケース3:「増床しつつ採用コスト削減」をめざすI病院】

 

<ケース概要>

I病院は多彩な診療科を擁する中規模の急性期病院で、都心部にありながら地域密着型の医療を特徴としている。1年半後の増床に向けて、30人の看護師を段階的に増員したいと検討を進めていた。それと同時に、採用コスト全般の高騰に懸念を抱いており、「少しでもコストを削減したい」という思いも強かった。

 

 

 

 

「退職理由」は雪だるま方式に大きくなっていく

 

看護師採用についてご相談をいただくとき、コンサルタントとして最も困るのが「時間がない」ことです。1年半という時間をかけられたI病院のケースでは、じっくりと腰を据えて関係者とディスカッションを重ね、取り組みを精査することができました。「増床したいけれど、採用コストは減らしたい」という要望は欲張りではありますが、時間的余裕があったことで余計なコストをかけずに済んだことは間違いありません。何事もそうですが、看護師採用も「先手必勝」というわけです。

 

I病院の採用計画は、「離職率ダウン」と「自己応募率アップ」という2つの軸で進めていきました。

 

まずは、「離職率ダウン」から説明しましょう。いくら採用数を増やしても、次々と人が辞めていけば必要数に届かないのは自明です。30人の純増を得るためには、今後1年半の間にどのくらい退職者が出るかを想定し、その分も見越した採用数を確保しなければなりません。

 

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