2022.02.15
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【看護管理者必読!】
看護師の多様性を認めたこれからの働き方を探る

~日本看護サミット2021 講演「“新しい働き方”への看護管理者としての対応」より~

 

編集部より

2022年2月4日、日本看護サミット(主催:日本看護協会)が「看護職の就業継続が可能な働き方で、看護の未来を拓く」をテーマに、パシフィコ横浜での会場参集とオンライン配信のハイブリッド形式で開催されました。その中から、看護師・保健師資格をもつ弁護士であり、2022年1月31日に参議院議員選挙の自民党公認候補となった友納理緒氏の提言に注目しました。今後、国の方針を受けて看護業界全体でも副業・兼業を認めた新たな働き方への取り組みが進められることとなり、看護師を雇用する経営者や看護管理者の方たちは準備が必要です。

 

取材・文/高山 真由子(看護師・保健師・看護ジャーナリスト)

 

多様な働き方を「選択」できる社会の実現に向けて看護管理者に求められていること

 

働き方改革の推進によって、看護界においても新たな働き方が模索され始めています。弁護士の立場から「看護」と「法律」両方の側面に触れながら話を始めた友納氏は、働き方改革関連法施行によって雇用主と看護管理者が新しい働き方への対応を求められているようだと見解を述べました。そして、看護師が働き続けて自身の技術や能力を向上させていくことができる多様な働き方を「選択」できる社会の実現に向けて、

 

・賃金などの処遇改善

・時間や場所などの制約の克服

・キャリアの構築

 

上記3点が必要だと示し「多様な人材が個々の置かれた事情に応じて柔軟に働き方を選択し、意欲や能力を発揮できるような社会を構築していく必要がある」と話しました。

 

また、子育て世代の看護師へ支援が充実していく中「プラチナナース」と呼ばれる定年退職前後の看護師の就業促進が課題であるとも説明しました。

 

 

 

 

 

副業・兼業を認める新たな働き方における看護管理者の役割とは

 

友納氏は、コロナ禍という有事において感染管理を専門にする看護師が自施設外で活躍したことを例にあげ、平時でもそのようなことが実現できれば、看護師自身の成長促進、所得の増加、自己実現の追求など多くのメリットがある、と看護師が副業・兼業することへの期待を込めました。また、人材の離職防止にもつながると述べ「労働者と管理者の双方が新たな働き方に対応していくことが必要だ」との見解を示しました。

 

さらに、これらを実現させていくためには、看護管理者のマネジメントがカギになると話した友納氏。これまで、どちらかというとワークライフバランスを顧みずに看護界に尽力してきた看護管理者を労った上で、これからは看護管理者自身も働きやすい環境づくりに取り組んで働いていくことが重要だと示しました。

 

 

 

新しい働き方を浸透させるために看護管理者がすべき3つのこと

 

さらに友納氏は、副業・兼業を認める新しい働き方を浸透させるために看護管理者がすべきこととして以下の3点を挙げ、具体的な内容を示しました。

 

1.労働時間の管理

現在就業規則で副業・兼業禁止を定めている医療機関も、今後はより柔軟に対応しつつ、安全配慮義務を負う経営者・看護管理者として労務管理上問題がないかを確認していくことが求められると説明しました。

 

2.看護師の健康管理

法律で定められた健康診断の実施はもちろん、女性が多い職場であることを前提に、生殖世代から健やかに老いていく世代まで「働く女性」の健康を適切に管理しながら働き続けられる環境を提供していくことが重要だとしました。そして、個人の問題としてとらえずに社会問題としてとらえることが重要であると続けました。

 

3.学びの支援

所属施設だけではなく地域全体で活躍できるような柔軟な働き方ができるように、また、能力と意欲のある人たちが主体的にキャリアを形成できるように、隣接する多領域に目を向けた学びの支援の必要性を説きました。

 

友納氏は結びに「看護管理者は労働時間の管理、健康管理、学びの支援を通して新しい働き方を実現していってほしい」と会場の参加者とオンライン視聴者に呼び掛けました。

 

 

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