2021.12.24
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【独占取材】石田まさひろ参議院議員に聞く看護師賃上げの真実
 ~コロナ対応限定は「分断を生む」~

 【メディカルサポネット独占取材】石田まさひろ参議院議員に聞く看護師賃上げの真実  ~コロナ対応限定は「分断を生む」~

 

編集部より

2022年2月から看護師の賃上げが実施されます。当面は収入の1%相当、月額にして4,000円のアップですが、段階的に引き上げて、最終的には3%、月額12,000円になる見込みです。一方で、対象がすべての看護師ではなく、当面は新型コロナ対応などを行う医療機関勤務の看護師に限定されたことについて、看護師でもある石田まさひろ参議院議員は「看護師の分断を生む」と強く批判しています。石田議員に看護師賃上げの行方と、上がりにくい看護師賃金の構造について聞きました。

 

取材・文/横井 かずえ

撮影・編集/メディカルサポネット編集部

 

「看護師の賃上げ額は月額12,000円」所信表明演説で明言

 

――看護師の賃上げが決まるまでに、どのような議論があったのか教えてください。

 

まず初めにお伝えすると、看護師の賃上げが4,000円であると報道されているのは誤りです。看護師の給与の引き上げ幅は3%で、金額にすると月額およそ12,000円です。これは岸田総理が12月6日の所信表明演説で「地域で新型コロナ医療対応など、一定の条件を満たす医療機関で勤務する方については、段階的に3%、年間14万円程度給与を引き上げていく」と明言しています。月額12,000円を12ヵ月分で、年間14万4,000円になります。

 

 

所信表明演説の冊子に記載されている看護師賃上げの記述

 

 

では、なぜ看護師は4,000円の賃上げと報道されたかというと、介護職や保育士に比べて、看護師の賃上げの仕組みが分かりにくいからです。介護・保育はすべての職員を対象に、一度に3%の引き上げが行われるのに対して、看護師は段階的な引き上げであり、まずは新型コロナ対応などをしている医療機関に勤務する看護師に限定されました。

 

段階的な引き上げとして、まず第一弾は2021年度補正予算を財源として、2022年2月~9月までの間、収入の1%相当、月額約4,000円の引き上げが行われます。この部分が1人歩きして、「看護師は4,000円の引き上げ」という報道がなされました。しかし、引き上げはここで終わりではありません。2022年10月以降は、継続的な仕組みとして、診療報酬を財源として、3%引き上げることが12月24日に決まる見込みです。

   

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