薬局経営コラム

    

編集部より

調剤報酬改定のたびにマネジメントの工夫が必要となる薬局や調剤併設ドラッグストア。「物」から「人」へのシフトが鮮明になり、地域の医療情報集積とコミュニケーションを担う役割も求められています。地域社会や患者さんのニーズを満たす新しい試みを続けていくためにも、薬局は安定した経営を続けていくことが必要と言えるでしょう。

 

新人薬剤師の教育で、何を重視すればよいか迷っていませんか?

本記事では、受け入れ前の準備や教育における心構え、新人薬剤師に必要な基礎知識とスキル、社会人マナーを解説します。

 

執筆/篠原奨規 管理薬剤師 薬局グループ エリアマネジャー補佐

編集/メディカルサポネット編集部

  

スーツ姿の女性  

新人薬剤師の教育で、何を重視すればよいか迷っていませんか? 新人薬剤師を一人前に育てることは、戦力の確保や業務の効率化につながります。その結果、安定した薬局運営の助けとなるでしょう。

 

本記事では、受け入れ前の準備や教育における心構え、新人薬剤師に必要な基礎知識とスキル、社会人マナーを解説します。

 

  

   

1.新人薬剤師受け入れ前の準備

 

卓上カレンダーに予定を書き込んでいる様子

  

新人薬剤師を一人前に育てるには、受け入れ前の準備が欠かせません

事前準備がしっかりできている薬局であれば、新人薬剤師も安心して教育を受けられるでしょう。

はじめに、新人薬剤師受け入れ前の準備のポイントを解説します

 

教育スケジュールの作成 

スムーズに教育を進めるために、あらかじめ教育スケジュールを立てておきましょう

調剤業務は工程が多いため、一度にすべてを教えるのではなく、段階的に教えるのがポイントです

たとえば、1か月目は散剤や水剤の基本的な調剤や医薬品の管理を中心に学び、2か月目に最終鑑査、3か月目に服薬指導といったように、実務の流れにそって進めるとよいでしょう。

それぞれの段階での目標や確認すべき項目を明確にしておくと、教える側も学ぶ側も進み具合を把握しやすくなります。

 

教育担当者の選定

新人薬剤師の成長スピードや職場定着に大きく関わるのが、教育担当者の存在です。

新人にとって、初めての現場は不安や戸惑いがつきものです。

そんななかで、相談しやすく、気持ちに寄り添ってくれる教育担当者がいれば、新人は安心して学ぶことができ、自信をつけていけます。

 

教育担当者に求められるのは、教える力だけでなく、新人の気持ちに寄り添い、安心して相談できる信頼関係を築く力です。

経験が豊富で教え方が上手な人でも、話しかけにくかったり冷たい印象があったりすると、新人は萎縮してしまい、成長の機会を逃してしまうかもしれません。

  

また、教育担当者の業務が過密になりすぎないよう、教育に割ける時間が確保されているかを確認しましょう。

担当者の負担が大きければ「業務量を周囲で分担する」「社内外の研修を活用する」など負担を軽くする方法を検討しましょう。

 

業務フローの整備

新人薬剤師を受け入れるまでに業務フローを整備しておきましょう。

業務フローの整備が大切な理由は、新人薬剤師が「いつ・どのように・何をするのか」を明確に理解できるためです。

 

業務ごとの注意点や確認ポイントを文書化しておくと、教育担当者が一貫性のある指導をしやすくなります。

たとえば、計数調剤や一包化調剤などは手順が複雑になりやすいため、図やチェックリストを活用して視覚的に伝えるように工夫するとよいでしょう。

 

2.新人薬剤師を教育するときの心構え

 

テーブルに本とタブレットを置いて話し合う2名の薬剤師 

新人薬剤師の教育に携わる場合、以下の心構えが大切です。 

 

◆「できないことが前提」として接する 

◆良い人間関係を築くきっかけを作る 

◆小さな成功体験を積ませる 

 

具体的なポイントを解説します。 

 

「できないことが前提」として接する

新人薬剤師は国家試験に合格し一定の知識を身につけていても、実際の薬局業務は未経験です。

 

 

 

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP