2025.02.13
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【看護職】有効求人倍率の推移と応募者から選ばれる就職先になるためのポイント

看護職採用ヘッダー

 

編集部より

コロナ禍後も、医療機関での看護職人材の需要が高まる中で、「なかなか応募が来ない」「内定辞退が続いている」といった声も聞かれます。そこでこの記事では、2021年から2023年の有効求人倍率を紹介し、人材獲得が競争激化している状況でも、応募者に「選ばれる就業先」になるためのポイントを解説します。

選考前、面接時、内定後、それぞれで行うべき対策も紹介しているので、ぜひ、採用活動の参考にしていただければ幸いです。

  

編集・構成/メディカルサポネット編集部

 

1.有効求人倍率の推移(2021年~2023年)

有効求人倍率はハローワークの有効求職者数と有効求人数をもとに算出されており、「求職者1人当たりにつき何件の求人があるか」を表す雇用動向を示す指標です。

 

有効求人倍率が1.0を上回ると求職者よりも募集枠が多く(人手不足)、1.0を下回ると募集枠よりも求職者が多い(人員余剰)ということを示します。

 

 

 

厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)~令和6年11月「第1表 労働市場関係指標(パートタイムを含む一般)」を元に作成 

 

上記は2021~2023年における、全職種の有効求人倍率をグラフにしたものです。

 

コロナ禍の影響もあり、2021年はやや低いものの、その後2022年、2023年と徐々に上昇し、年間を通して1倍を切った月はありません。この3年間、有効求人倍率に大幅な上昇は見られないものの、安定して1倍以上を保っている状態です。

 

では、2021~2023年の看護職(保健師、助産師、看護師)に焦点をあてると有効求人倍率はどのように変化したのでしょうか。

 

 

 

厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)~令和6年11月「第21表-7  職業別有効求人倍率(パートタイムを含む常用)」を元に作成を元に作成

    

2021年から2023年の3年間、全ての年で看護職の平均有効求人は2倍を超えています。

また、どの年も採用活動が活発になる12~3月は、有効求人倍率が2.1~2.5倍となっており、全職種の平均有効求人倍率と比較しても高水準であることがわかります。

 

つまり、年間を通し1人の看護師に対し2件以上の医療機関で求人募集をしている状況です。

  

社会の高齢化が進んでいる状況などを受けて、多くの医療機関で看護職の需要は今後も高まっていくでしょう。

看護職人材における獲得競争も厳しい状況が続くと考えられます。

  

「急に退職者が出てしまった…」「1~2名だけ募集したい」という医療機関は多いと思いますが、多くの応募者に貴院・貴社を入職先の候補として「選ばれる就業先」になるためには母集団の形成に力を入れる必要があります。

  

母集団を形成する際に自社サイトや媒体での採用のみならず、紹介会社を利用した採用活動を行っている事業者・人事担当者様が多いと思いますが、紹介会社を利用した際に書類選考~面接選考までの1つ1つのフェーズで気をつけるべきポイントを下記の記事でご紹介しています。

 

こちらも併せてご覧ください。

 

▼【書類選考~面接選考編】高額な紹介手数料を支払っても人が辞める…を防ぐ!紹介会社を上手に使うコツ

  

 

2.応募者に「選ばれる就業先」になるために対応・準備すべきこと

人材獲得の激化が今後も続くと考えられる中で、最終的に応募者から「選ばれる就業先」になるためにはどのような動きが必要なのでしょうか。

 

このトピックスでは選考前・面接時・内定後のフェーズに分けて対応・準備すべき対策をご紹介します。

選考前の対策

①市場の動向や応募者の要望を知る

まずは、看護職に応募する人たちが、就職先にどのようなことを求めているのか、他の医療機関は人材獲得のためにどのような工夫をしているのか、といった情報を把握しましょう。

それらを元に、自院が応募者にアプローチできる点や、採用活動で工夫できる点を見つけることが重要です。

 

これらの情報の把握には、下記資料などをぜひ参考にしてください。

 

  

 

  
 
②近隣医療機関の募集内容を確認する
また、競合となる近隣医療機関の求人募集をリサーチしましょう。
自院と近隣医療機関の労働条件(給与・残業時間など)に乖離があるかどうかを確認し、調整を行います。
  
その上でメリット・デメリットとなる点を把握し、条件面の改善が難しい場合はそれに代わるメリットを応募者にアピールしていく必要があります。
自院の経営状況においての安定性や社風など、応募者に魅力的だと感じてもらえるようなポイントを多く見つけましょう。

  

 

③求人票に詳しい情報を正確に記載する

応募者は転職活動をする際、実際に働く姿をイメージしながら求人票を確認します。

 

事業者・人事担当者様も、「どのような人に」「どのような条件で仕事をしてもらいたいのか」がイメージできるよう、風土・給与・業務内容・労働時間・残業時間・待遇・人数体制・働く職場の雰囲気などを詳しく記載するようにしましょう。

 

また、「近隣医療機関の募集内容を確認する」のトピックスで紹介した、応募者へのアピールポイントも求人票内で全面的に打ち出しましょう。

  

▼職種別・求人票テンプレートはこちらご活用ください

 

面接時の対策

①応募者に良い印象を与える心掛けをする

面接では、事業者・人事担当者様が応募者を判断しますが、それと同じように応募者も事業者・人事担当者様の印象を見た上で就業先にするか否かを判断しています

 

また、面接以外の場でも「院内の清潔さ」「廊下で職員とすれ違ったときのあいさつの有無」など、就業環境の雰囲気についても注視しています。

応募者に良い印象を与えることができれば、入職に対し意向を高めることにもつながります。

 

▼「失敗しない中途採用面接」 ~採用面接の成功・気をつけたいポイント~

 

 

②就業条件に差異が生じていないか確認する

面接後、内定を受諾したが「就業条件通知書に記載してあった内容が、面接時に聞いていた話と違った」という理由で内定辞退に至るケースが少なくありません。

 

就業条件については求人票を見ながら一つひとつ、応募者と一緒に確認して齟齬がないようにしましょう。

また、就業条件について応募者が疑問を持ったままにしないよう、積極的に質問できる雰囲気を作ることをおすすめします。

 

 

③応募者の希望や展望をしっかりと聞く

応募者には、入職後のビジョンやプライベート面における展望をできるだけ応募者自身の言葉で話せるように促しましょう。

 

そうすることで、自院と合う人材か見極めることができ、入職後のミスマッチによる早期退職を防ぐことにもつながります。

また、応募者が希望する働き方を自院で実現できるかどうか、検討し、応募者と対話を重ねることも大切です。

 

 

④応募者が質問できる時間を設ける

②でも紹介しましたが、応募者が疑問点や不安点を残したまま面接を終了するのは避けましょう。

「不安な点や疑問に感じることはないですか?」と確認し、改めて応募者の考えを聞くとともに、誠実で丁寧な回答をすることで、応募者からの信頼感を得ることもできます。

 

▼「採用担当者が面接前に準備すべきポイント5選!

 

内定後の対策

応募者は複数に応募し、並行して選考を受けていることが一般的です。

その上で、「他の医療機関でも内定をもらったけどどこに入職しようかな」「面接したけど迷っている」と感じます。

 

そこで内定通知時に、現場の管理者や人事担当者から「〇〇様のこの部分を活かして、ぜひここで一緒に働いて欲しい」という熱烈なメッセージをもらったら、「こんな風に考えてくれたんだ」 「私のここの能力を認めてくれたんだ」と感じ、「この医療機関へ入職したい!」と内定意向度が高くなります。

 

また、「面接から少し時間が経ったけど、疑問点があるから質問したいな」という方も中にはいるかもしれません。

メッセージ内に「疑問点や不安に感じることがあればお声掛けください」と記載を入れることで安心や信頼を抱くケースもあります。

  

こちらもテンプレートをご用意しているので、ぜひ活用ください。

 

▼内定祝いメッセージのテンプレートはこちらご活用ください

 

  

まとめ.万全な対策を行って採用活動を成功させよう

積極的に看護師人材を募集する医療機関が多い一方で、応募者に「選ばれる就業先」になるためには、選考前・面接時・内定後に入念なフォローが必要です。

 

『マイナビ看護師』では、医療機関の採用活動をサポートする「リクルーティングアドバイザー」が貴院・貴社の採用課題を伺い、人材戦略や年間を通した採用計画立案まで踏み込んだ提案を行っています。

人材採用に関するお悩みや不明点がありましたら気軽に問い合わせください。

 

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