2023.01.27
5

薬局DX時代に向けての薬局での補助金・助成金活用術

“超”地域密着調剤薬局の経営戦略 ~地域と共に生き続ける~ vol.10

“超”地域密着調剤薬局の経営戦略  ~地域と共に生き続ける~

 

編集部より

「物」から「人」へ。2025年の実現を目指す地域包括ケアシステムの構築に向けて、薬局のあり方は変革期の真っ只中です。厳しい薬局経営が続く中、地域に根差す調剤薬局の強みを活かせる時代がようやく来たと考えている薬局経営者・管理者の方たちも多いことと思います。しかし、街の小さな薬局が地域と共に生きるとは具体的にどういうことなのでしょうか?本コラムでは、東京都練馬区江古田で地域密着調剤薬局経営をされている、たむら薬局の田村憲胤(のりつぐ)さんに、採用・税務・地域連携など薬局経営に関わる実践知についてお話しいただきます。

第10回は、薬局DXにつながるIT環境整備や設備投資のための補助金・助成金の活用方法をお届けします。今月26日からは電子処方箋管理サービスの運用が始まり、4月からはオンライン資格確認が原則義務化となるなど、薬局のDX化が進んでいます。田村さんは10年前から補助金・助成金を活用しており、POSレジや電子薬歴、レセコンなどの導入にも補助金を活用したそうです。薬局DXにつながるIT環境整備や設備投資を行う際に、田村さんの活用術方法を参考にしてみてはいかがでしょうか。

電子処方箋管理サービスの運用がスタート

2023年が始まりました。

電子処方箋管理サービスの運用も1月26日に始まりましたが、皆様の薬局ではいかがでしょうか。

1月15日時点で厚労省が公表したリストによると、対応が可能な病院は6カ所、医科診療所は10カ所、薬局は162カ所でした。

26日の運用開始までにもう少し増えるのだとは思いますが、現時点のリストを見ても対応可能な施設には薬局がやはり多いですね。

    

導入予定で動いているものの、ベンダーの作業が逼迫(ひっぱく)していて、システム改修が追いついていない所も多いようです。電子処方箋の推進の目的は処方箋自体を“電子的”にすることではなく、管理システムに情報が蓄積され活用されていくことです。調剤情報を電子処方箋管理サービスに送受していれば、従来の紙の処方箋を発行しても「電子」運用とみなす考えが厚生労働省から示されたことを考えても、最初は電子処方箋に対応できた薬局から処方箋情報を管理システムに蓄積し始め、徐々に対応施設が増えて浸透していく流れになりそうです。

        

 

薬局DX時代に向けての薬局での補助金・助成金活用術

    

 

また、2023年度の薬剤師・薬局関係予算案において、薬局薬剤師はリフィル処方箋への対応を含め、薬学的専門性を生かした対人業務の充実とともに、セルフケアやセルフメディケーションの支援など健康サポート業務に取り組む必要に言及されています。オンライン服薬指導、データヘルス改革、電子処方箋の導入など薬局のICT対応が「必須」となり、薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)に6200万円が計上されています。今後以下の4つの事業が実施されていく予定です。

 

◎薬局DXの推進

◎対人業務を強化するためのガイドライン(GL)作成

◎高度な専門性の発揮

◎健康サポート機能の充実

 

背景には人口構造の変化から、データヘルス改革が必須の状況で、HPKIカード(医師資格証)取得が昨年始まり、電子処方箋が1月26日から開始されています。4月からはオンライン資格確認が原則義務化となり、今後は薬局DXによって電子版お薬手帳などのPHR(パーソナルヘルスレコード)や、ウエアラブル端末を利用した指導、医療機関との連携などが検証されていくようです。

 

薬局DXが少しずつ進んでいく中、電子処方箋へのシステム改修に関しては費用補助もありますが、補助額より実際はもっと費用がかかりそうです。PHRの活用の設備投資などで薬局の持ち出し額はさらに大きくなることが見込まれ、頭を悩ませている経営者の方も多いのではないでしょうか。

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP