【看護職編】給与？働き方？20～30代の若手・中堅層が定着せずに退職する原因を解明！！

「20～30代の人材が欲しくて多額な広告費や紹介手数料を支払ったのに、退職してしまった」・・・そんなお悩みを抱えている事業者・人事担当者様は多いのではないでしょうか。人材が定着しない大きな原因は、採用時のミスマッチにあると一般的に言われていますが、なぜ20～30代のいわゆる“若手・中堅層”が定着せずに退職に至ってしまうのでしょうか。今回は「マイナビ看護師」にご登録いただいた20～30代の看護師が退職した理由を分析しました。退職のきっかけになる要素そのものが、自院・自社で把握できていない課題であるケースが少なくありません。退職理由を分析することは、採用活動に向けた第一歩となります。ぜひ、ご覧いただき今後の採用活動にお役立ていただければと思います。

※調査データ：「マイナビ看護師」ご登録後アンケート（2021/01/13～09/30時点）

※アンケート回答者のうち、20代：477名／30代：416名の回答を抜粋

上記はマイナビ看護師にご登録がある男女別・20代、30代割合はグラフです。20代、30代の若手・中堅層は、即戦力としても、また長期的な活躍も期待ができる世代ですが、どんなことがきっかけで退職を検討するのでしょうか。「看護師白書2020年度版」に寄せられた、求職者の方々の本音の声と併せてご覧ください。

<退職理由ランキング　TOP5>

転職を考えた理由を尋ねたアンケートでは、上位に「給料・待遇」、「労働時間」という回答が、3位以下は「雇用形態・働き方」、「人間関係」、「休日・休暇」という回答が続きました。それぞれの理由について、具体的な回答内容をご紹介します。

「基本給が低い。昇給も頭打ちで、これ以上の給与アップが見込めない」「夜勤をしないと思い描いていた年収に届きそうもない。身体的にも負担が大きい」「評価基準が曖昧。年齢や資格のみで評価するのではなく、能力を考慮してほしい」という声が20代、30代ともに多く見られます。

20代においては、「拘束時間が長い。長く働いていく上では、労働時間の見直しをしてほしかった」、「人員不足が更なる負担を招き、労働時間が長くなっている。看護助手の増員などの対策をして欲しかったが、叶わなかった」など、人手不足による長時間労働に関して改善を求めたが対応されず、退職に至ったという声が多く見受けられます。30代においては、「子供のお迎えがあるので残業ができなくなったことで、同僚の目を気にして働かなければならなくなった」、「急にお休みをしてしまうと職場に居づらくなる」、「20代では多くの夜勤シフトに対応していたが、30代では体力的に辛く感じるようになった」など、ライフイベントを迎えたことによる変化や、体力面の変化によって退職に至ったという回答も見られます。

20代においては、「今は夜勤も難なくこなしているが、30代に入ってこんなに忙しい職場は難しいかもしれない」、「このまま新卒で入職した病院にずっといても良いのか。訪問看護など新たな分野にもチャレンジしてみたい」など、ワーク・ライフバランスとの両立やキャリア形成について悩む方も目立ちます。30代においては、「家庭との両立を考えると、正社員ではなくパートで働きたい」、「17時までに仕事を終えたい」など、働き方の転換を考え始める方が増えていく傾向にあります。

「先輩や同僚との関係性が上手くいかない」、「上司からのパワハラが原因で退職を検討している」、「古い慣習ややり方を押し通し、若手職員の意見や要望は聞き入れてもらえない」などの意見が寄せられています。

「休日に学会、研修、勉強会などがあり、参加を強制される」、「有給休暇を取得しにくい職場だった」、「お子さんのいる職員が多く、若手の職員が優先的に夜勤シフトに入るため、プライベートの時間を確保できないと思った」など、基本的な休日・休暇の確保や、不平等さの解消を求める意見が見られます。