2022.01.21
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“地域”をコンセプトに住み慣れた地域でのシニアライフを
~炭鉱事業から高齢者施設事業へ~

介護事業者インタビューvol.7 株式会社太平洋シルバーサービス

 

編集部より

不動産やエネルギー事業などを行う太平洋興発㈱を母体とする太平洋シルバーサービス社は、今年で創業38周年を迎えます。上質な「設(しつら)え」、その人らしい「誂(あつら)え」、チームケアで行う「拵(こしら)え」をホームが目指す理想として掲げ、都内で8ヵ所の介護付有料老人ホームを運営。手厚い人員配置と独自のICTシステム「KITENE(キテネ)」の導入により、充実したケアを提供しています。超高齢化社会を見据えた太平洋興発㈱の新事業として始まった同社のこれまでと今後のサービス提供展開について、代表取締役社長の奥谷直澄さんにお話を伺いました。

 

取材・文/松崎 純子

撮影/和知 明(株式会社BrightEN photo)

編集/メディカルサポネット編集部

 

 

奥谷 直澄(おくたに・なおずみ)

株式会社太平洋シルバーサービス 代表取締役社長 

1988年に太平洋興発社に入社後、経理業務に従事。2000年に太平洋シルバーサービス社に出向後、17年間の現場経験を経て、2017年5月に社長に就任。「地域包括ケアシステム」を具現化し、地域密着の有料老人ホーム運営を行っている。

 

 

  

関係機関と連携した地域密着型の事業運営

 

――かつて、北海道釧路市において石炭の採掘を行っていた太平洋炭礦社がルーツであるそうですが、介護事業に参入されるまでにはどのような経緯があったのでしょうか。

 

1970年代、エネルギー産業としての炭鉱事業が斜陽化するにつれ、太平洋興発社は不動産デベロッパーとして住宅販売をするようになりました。その頃、これからの超高齢社会を見据え社会貢献できる事業を探っており、高齢者施設事業へ進出するため1984年に太平洋シルバーサービス社を立ち上げ、中野区に第一棟目の介護付有料老人ホーム「シルバーシティ哲学堂」を開設しました。

 

 

――「地域」が経営のキーワードになっているようですね。

 

「地域」は当社のコンセプトの1つで、ご入居者様もスタッフも地域になじみのある方が多いのが特です。介護付きホームのご入居者様の7割は近隣にお住まいだった方です。「住み慣れた地域で最期まで」という地域包括ケアの理念が近年テーマとなっていますが、当社では設立当初からそうした住み慣れた市近郊での住まいのご提供を目指してまいりました。

 

ショートステイを行う理由も社会貢献の一環として、地域の皆様の介護に関する困りごとをお支えするためです。また、近隣自治体などと長年に亘り協力関係を構築し、さらに定期的に地域住民の皆様や介護・医療従事者向けのセミナーを開催するなど、地域密着の運営を行っています。

 

 

 

 

 

働きやすい職場環境と手厚い人員配置が生んだ長い勤続年数

 

――スタッフの定着率に注目すると、勤続年数が長いことが特長ですね

 

スタッフも近所から通ってくれている人が多く、常勤3割、非常勤が7割です。在職年数の長い者も多く、パートスタッフを含め、勤続5年以上が70%、その内10年以上のスタッフは49%

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