2023.12.18
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薬局の待ち時間を改善するには?待ち時間対策やクレーム対処法

利益を取りこぼさない 薬局マネジメント経営~Vol.6

    

編集部より

調剤報酬改定のたびにマネジメントの工夫が必要となる薬局や調剤併設ドラッグストア。「物」から「人」へのシフトが鮮明になり、地域の医療情報集積とコミュニケーションを担う役割も求められています。地域社会や患者さんのニーズを満たす新しい試みを続けていくためにも、薬局は安定した経営を続けていくことが必要と言えるでしょう。

 

この連載では、大手薬局グループのエリアマネジャー補佐 篠原奨規(しのはら しょうき)さんが、薬局で実際は行っているのに請求できていない報酬の把握や、見落とされがちな業務の工夫など、利益を取りこぼさないようにする薬局マネジメントについて解説します。

 

第6回は、「待ち時間対策やクレーム」について説明します。本記事では、薬局で調剤待ち時間が長いことに対する患者さんの声、具体的な待ち時間対策、待ち時間が長いことによる二次クレームを発生させないための対応などを解説します。

 

執筆/篠原奨規 管理薬剤師 薬局グループ エリアマネジャー補佐

編集/メディカルサポネット編集部

   

      
腕組みをしている薬剤師

      

「待ち時間が長い」と患者さんから厳しい声をかけられたことはありませんか? 患者さんからの意見は業務環境を見直す良いきっかけになりますが、具体的にどうすれば待ち時間を短くできるのかわからず困っている方もいるでしょう。本記事では、薬局における具体的な待ち時間対策や二次クレームを発生させないためのクレーム対処法について解説します。

       

1. 薬局でのスムーズな対応を求める患者さんの声

咳をしているマスクを着用した女性

    

患者さんのなかには薬局での待ち時間が長いことに不満を抱えている人がいます。厚生労働省が作成した「かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査 報告書(平成31年3月)」では、患者向けアンケートとして「最近利用した薬局に今後、どのような薬局になってほしいか」という質問を行っています。その回答として、「待ち時間が少なく丁寧に薬を提供してくれればよい」「病院で待ち時間が長く、薬局でさらに時間がかかるシステムにはしてほしくない」といった意見が寄せられており、薬局を利用するうえで待ち時間を気にする患者さんが一定数いることがわかります。    

      

2. 患者さんが「待ち時間が長い」と感じてしまう理由

悩みを抱えている眼鏡をかけた女性

 

 では、なぜ患者さんは薬局での待ち時間を長く感じてしまうのでしょうか。考えられる原因をお伝えします。

  

処方内容によって調剤時間が長くかかってしまう場合がある

処方せんを受け付けてから薬を渡すまでにはさまざまな工程があり、処方内容によって調剤時間が異なります。場合によっては、どうしても時間がかかってしまうこともあるでしょう。例えば、処方量が多く一包化が必要な処方の場合、薬の飲み合わせを確認する処方鑑査や薬をひとまとめにする一包化業務によって調剤時間が長くなりがちです。そのほかに時間のかかる調剤業務として、散剤調製や水剤調製、外用剤の混合調製、錠剤の粉砕などがあげられます。調剤時間が長くなれば、その分、患者さんをお待たせすることになります。

  

供給不安定となっている薬の対応に時間がかかる

2020年以降、医薬品メーカーの品質不正問題が相次いだことから、薬の供給不足が大きな社会問題となりました。その後も、多くの薬が供給不安定な状況が続いています。そのため薬局では、処方薬の用意ができず代替薬で対応することも増えています。代替薬へ変更するには、患者さんへ説明したり医師に許可を得たりする必要があるため、薬の準備に時間がかかってしまい、待ち時間が長くなる傾向にあります。

 

患者さんが待ち時間に対して神経質になっている

処方せんを持って来局される患者さんのなかには、病院で長時間を過ごした人もおり、待ち時間に対して神経質になっている可能性も考えられます。病院では、診察や検査などに伴って長く待つケースがあり、場合によっては1時間以上かかってしまうこともあります。病院で長時間待った後に、さらに薬局で待つことになると、不満が強く感じられるかもしれません。

 

調剤が完了するまでどのぐらいの時間がかかるかわからない

患者さんの多くは、薬局内でどのような業務が行われているかがわからず、待ち時間を予測できません。このような状況では、待ち時間がわからないことに不安を感じたり、次の予定が立てられないことで不満を抱えたりする場合もあるでしょう。

 

3. 待ち時間対策をすることによる薬局経営のメリット

ノートパソコンを開いた状態でグラフを確認している男性     

待ち時間対策は薬局経営においてどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

 

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