2022.12.28
5

介護業界はなぜ人手不足になる?その理由と対策を解説

介護業界はなぜ人手不足になる?その理由と対策を解説

  

 

編集部より

介護業界では常に人手が不足しており、人材難の状態が続いています。厚生労働省は、2021年7月に介護職員の必要数について、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人を追加で確保する必要があるという見通しを発表しました。

また、マイナビの「介護職白書2021年度版」によると、全体の75.7%の事業者が「介護職員不足を感じている」と答えており、そのうち95%以上の事業者が「何らかの取り組みが必要」と答えるなど、様々な課題が浮き彫りになりました。なぜ介護業界は人手不足が深刻なのか、その原因と課題の解決方法を解説します。

    

編集/メディカルサポネット編集部

 

 

日本の高齢化と少子化問題が背景に

介護業界の人手不足の根本的な原因は、日本が直面している高齢化、少子化問題にあります。各原因について、詳しく見てみましょう。

 

2025年には全人口の30%以上が高齢者に

内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、日本の総人口は2021年10月1日現在で1億2,550万人。そのうち65歳以上人口は3,621万人で、65歳以上人口が総人口に占める割合(高齢化率)は28.9%です。

この高齢化率は年々上昇しており、約800万人いる「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、30%を超えると試算されています。

全人口に占める介護ニーズの高い世代の割合は、年々増加しているのです。

 

少子化により労働人口が減少

一方で、日本で生まれる子供の数は年々減少しています。厚生労働省の人口動態統計によると、2000年に年間119万人だった出生数は、2020年には84万人にまで減少。その影響を受け、生産年齢人口(15歳~64歳=生産活動の中心にいる年齢層のこと)も、2000年には8,622万人でしたが、2020年には7,509万人まで減少しました。生産年齢人口は今後も減少が続き、2030年には6,875万人、2060年には4,793万人まで減ると試算されています。

 

生産年齢人口の減少により働き手が減り、人手不足なのはどの業界も同じです。ただ介護業界では、介護サービスを必要とする高齢者が年々増えているため、特に人手不足が加速していることがわかります。

   

   

介護職が不足する3つの理由

介護職不足の背景には、高齢化と少子化という大きな社会問題があることがわかりました。さらに、介護職の労働条件について深掘りすると、他の原因も見えてきます。介護職の人手不足の原因は、大きく下記の3つに分けられます。   

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP