2019.01.16
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第6回「交際費?福利厚生費?出張旅費?~通りやすい経費計上のコツ~」

薬局に強い税理士が教える税務対策

調剤薬局の顧問を務める税理士の松本直樹さんに、薬局経営における税務対策をわかりやすく解説していただきます。第6回は「通りやすい経費計上のコツ」がテーマです。交際費、福利厚生費、出張旅費の節税できるコツを紹介します。

 

法人組織でも個人事業でも、「会社のために」使った経費は、経費として計上して、無駄な税金は払いたくないのは経営者としては当然です。しかし経費だと思ったら認めてもらえなかった、との話題もしばしば聞きます。実は「通りやすい」経費計上のコツは存在します。それを知っているかどうかで、簡単に節税が可能になります。今回は、交際費や福利厚生費、出張旅費の経費計上のコツを紹介します。

 

 

「法人か個人事業かで経費計上のコツが違う?」

法人組織(法人税法)と個人事業(所得税法)では経費計上の根拠が違います。まずここを理解しておきましょう。法人税法によると、法人の損金(経費)の原則は、「その事業年度の売上原価、販売管理費、その他の損失」と、非常にシンプルに決められています。つまり、経営者が事業のための経費と判断すれば経費である、ということです。対して個人事業の必要経費(経費)の原則は、「その年の売上原価その他売上を得るために直接に要した費用及びその年の販売管理費」と決められています。

 

<法人税法

 

<個人事業で必要経費に算入できる金額>

 

「『売上を得るために直接に要する』とは販売管理費も含まれるのか?」

所得税法の必要経費の大原則である「売上を得るために直接に要した」が、どこまでを指しているのかは、かなり大きな問題です。この表現では、「直接に要した」のは販売管理費までを指していないように感じます。ところが、税務調査の現場では、販売管理費までを指すように運用している傾向があります。もし販売管理費まで「直接に要した」ものしか経費として認められないのであれば、例えば飲食交際費は、患者さんを接待した飲食費のみしか認められないことになってしまいます。実は、個人開業医で実際にそのように指導している税務署員も存在します。少々法律論議になり恐縮ですが、個人事業主にとっては、非常に重要な論点です。残念ながら、現時点でこの問題については結論が出ていませんが、何が問題なのかは知っておいた方が良いと思います。

 

「経費計上のコツ~福利厚生費~」

 

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