2018.10.25
3

第4回「社長や家族の給料はどう決めれば良いのか?」

薬局に強い税理士が教える税務対策

調剤薬局の顧問を務める税理士の松本直樹さんに、薬局経営における税務対策をわかりやすく解説していただきます。第4回は「社長や家族の給料はどう決めれば良いのか?」がテーマです。給料の設定には明確な前提設定が必要です。ライフプランと経営計画考慮することで、しっかりした資金管理を行いましょう。

 

業種を問わず、社長や家族従業員の給料をどう決めるかは、生活に直接結びつくだけに重要で切実なテーマです。

今回は税務的観点だけではなく、経営者目線で「適正な給料とは何か?」を考えましょう。
  

「適正な給料の金額とは何かを考える」

まず「適正な給料の金額」とは何でしょうか? 税務署に認めてもらえる金額でしょうか? 自分(社長)が生活に必要な金額でしょうか? それとも経営している薬局の年間損益から支給可能な金額でしょうか? 残念ながら、漠然としていて明確に考えていない経営者が多いように感じています。

 

私は、優先順位として「生活に必要な金額」を第一に計算すべきと考えています。

 

住居費の有無や、子供の教育費の有無で必要生活費は大きく違ってきます。よって、経験年数や年齢だけでは決められません。特に、独立開業して間もない経営者の場合は「生活に必要な金額」の計算は重要です。

 

「給料の試算は前提設定が大事!」

経営者の皆さんは、ご自身の給料手取り試算をおそらくやってみたいのではないでしょうか?法人税率はシンプルですが、所得税は複雑で、個人の状況でやたら設定が変わり、さらに社会保険も加わるので、試算は意外と大変です。

 

今回の設定は、代表者と配偶者の2名で経営する法人で、社会保険料を含む役員報酬総額を除いた事業利益を1,500万円と仮定しました。(役員報酬を除いた事業利益の考え方は重要です!)極端ですが、2名とも無報酬ならば、法人所得は1,500万円です。

 

他の条件設定としては、経営者2名の扶養親族はなく、「年齢は50歳、社会保険以外の控除は5万円、副業なし」とシンプルな設定にしました。また、法人税均等割は7万円とします。

 

「実際の手取り試算例」

では実際に試算してみましょう。

 

(試算1)代表者年収600万円、配偶者年収240万円の場合。

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP