2018.10.17
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第2回「法人と個人事業、それぞれのメリット・デメリット」

薬局に強い税理士が教える税務対策

調剤薬局の多くは、法人形態と考えられますが、結局のところ、法人形態と個人事業形態ではどちらが有利なのか、具体的に検証します。

 

調剤薬局の経営形態は、法人もあれば個人事業もあります。今回は、それぞれの経営形態について経営者が特に関心がある注意点をまとめました。

  

経営者の給与、家族への給与をどう支払うのか?」

まずは、おそらくもっとも関心が高い「経営者と家族に対する給与」についてです。

 

法人では、代表者は必ず「役員報酬」になります。役員報酬の原則は明確です。期首3ヶ月以内に金額を決めたら、1年間は金額を変えることができません。ある年の業績が良くて、期末に「頑張ったから自分にボーナス!」を出しても経費になりません(経営者はつらい!)。

 

配偶者や家族に対する役員報酬も、税務調査においてトラブルになるテーマです。注意点はズバリ「実際に仕事をしているのか?」です。例えば、薬局店舗に出勤していない社長の奥様に役員報酬が毎月50万円支給されていれば、後々トラブルになる可能性が高いです。社長は、「家で経理事務をやってくれている!」と反論しますが、その反論では厳しい展開になりそうです。

 

では、「なにもしていなければ」役員報酬は全額否認なのでしょうか?役員に就任していることで、当然に経営責任がありますし、経営全般について家族内で話すことも「役員会」です。具体的な金額ですが、月額5万円から10万円であれば、ほぼ認められているようです。ただし、役員登記されていない、いわゆる家族アルバイトですと、実際に仕事をしていなければ全額否認される可能性が高いので注意が必要です。

 

次に、個人事業ですが、個人事業での「社長の給与」はありません(えっ!)。個人事業の場合は、「事業利益」=「経営者の取り分」ですから、事業口座から毎月の取り分を決めておく必要がありますね。家族給与については、青色申告を前提にすると「青色専従者給与」として法人とやや違うルールがあります。青色専従者給与は文字通り「専従者」なので、他社の役員だったり従業員だったりすると認められません。ここは法人と違う点ですね。

 

 「経費をどう計上するか?」

 

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