2019.07.17
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【後編】「わたしは運がいい」と思い、言語能力を鍛えることで勝ち組になる

~脳科学者・中野信子「自己肯定感が高まる脳の使い方」~

人生には、目に見えない「運」「不運」というものがあります。経営やマネジメントには、どこかしら「勝負事」という側面もあり、そういった「運」や「不運」を実感するようなタイミングもあると思います。
今回は、脳科学者の中野信子さんが「運」「不運」についてだけでなく、「運」「不運」に関係なく勝率を高めることなどをレクチャーしてくれました。
そもそも運がいい人、運が悪い人というのは存在するのでしょうか? 「運がいい人の思考」とはどのようなものでしょうか? そして、「勝率を高めていく方法」とは——。

構成/岩川悟(slipstream)
写真/塚原孝顕

 

 

人は「幸運な人」と「不運な人」にわかれている

運が良い出来事と悪い出来事は、誰にでも平等に訪れるもの。そんなふうに思っていませんか?

 

これは確率の授業でも学ぶことで、理論上はたしかにそうです。わかりやすく、幸運と不運をコインの裏表が出る確率で考えると、「表(=幸運としてプラス1と計算)」が出る確率と「裏(=不運としてマイナス1と計算)」が出る確率はそれぞれ50%なので、コインを投げ続けると、一時的にどちらかに傾いても、最終的にはプラスマイナスゼロ近辺で調整されるはず。

 

ただし、ここで注意すべきポイントがあります。それは、確率の計算では、あくまでコインを「永遠に」投げられるのが前提となっていることです。しかし、わたしたちの人生は有限です。コインを1万回しか投げられない人もいれば、10万回投げられる人もいるわけです。つまり、幸運か不運かのどちらかに傾いている状態で、人生が終わる場合があるということなのです。

 

さらに確認しておきたいのは、表と裏が出る確率は試行のたびに50%ずつだということ。裏が続いたからといって、「そろそろ表が出る」とは限らず、前回の結果に左右されるわけではないのです。たとえば表が出続けても、裏が出続けても、まったくおかしいことではありません。

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