2019.07.15
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【第7回】無意識の習慣

自律神経を整える名医の習慣

習慣が変わると行動が変わる、行動が変わると人生が変わる――。国内における自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生が、自律神経研究の知見をベースにした、参考にしてもらいたい自らの「習慣」を教えてくれます。第7回のテーマは「無意識の習慣」。小林先生が強く説く「無意識」の重要性とはどんなものでしょうか。

 

 構成/岩川悟、清家茂樹 写真/川しまゆうこ

 

なにも考えずにぼんやりする時間が、「無意識」の力を目覚めさせる

わたしは常々、なにも考えずにぼんやりする時間はとても大切な機会になると考えていす。なぜなら、ぼんやりすることは脳の機能を健康に保つと同時に、無意識の世界へアプローチするきっかけにもなるからです。

  

ぼんやりしているとき、脳は「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳内システムに移行します。このシステムが活発になると、人間はさまざまな記憶やイメージや思考をもとに次の行動に備えはじめます。要は、ぼんやり自分を見つめながら、次の意識的な行動の準備をするわけです。

  

これから自分に起こることの道筋をぼんやりと描いたり、記憶を整理してアイデアや気づきを生み出したり……。みなさんのなかにも、ぼんやりしているときほどいいアイデアを思いついた経験がある人は多いと思います。

  

2010年のワシントン大学の研究結果では、DMNを働かせるには、通常の意識的な作業よりも、なんと約15倍のエネルギーを消費することがわかりました。それほどまでに脳にとっては重要な機能であるわけですが、スマホをはじめテクノロジーが発達した現代では、このぼんやりする時間が急速に失われています。

  

DMNの働きが低下すると、うつになりやすくなり、認知症などのリスクが高まることも指摘されています。ぼんやりすることは、わたしたちが想像する以上に健康にとって大切なことなのです。

 

 

無意識の力を効率良く引き出すには、1カ月にひとつのことを自動化してそれを続けていけばいい

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