2019.07.10
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目標の達成には、「正しい努力」が必要だ

脳科学者・中野信子「自己肯定感が高まる脳の使い方」前編

マネジメントに携わる人間であれば、誰もが目標設定をして、組織の健全な運営のために日々邁進していることでしょう。ですが、新たな事業展開のこと、数字のこと、人事のことなど……悩みは尽きません。だからこそ、人は努力を重ねていきます。
でもふと振り返ってみると、「本当に自分がしている努力は正しいのか」「このやり方で目標達成はできるのだろうか」と不安になることもあるかもしれません。
脳科学者の中野信子さんが、ご自身の経験も踏まえ教えてくれた「努力の本当の意味」と「目標達成を高める思考法」です。

構成/岩川悟(slipstream)
写真/塚原孝顕

  

 

努力が報われないのは「正しい努力」をしていないだけ

「努力は必ず報われる」とはよく言われることですが、いくら努力しても報われないことがあるのには、大きく二つの理由があります。

 

一つ目は、たいして努力をしていないのに、努力していると「思い込んでいる」場合。じつは、これはかなりよくあるパターンです。

 

例えば、筋肉をつけようとジムに入会して、せっせと筋トレに励むものの、思ったように筋肉がつかなくて「ダメだ……」とすぐにあきらめてしまう。でも、冷静に考えると、よほどの代謝異常でない限り、適切な負荷をかけ続ければ筋肉は増えるはずです。

 

つまり、こうした場合は、単に負荷が不足しているだけで、努力を客観視できていないわけです。

 

そして二つ目は、「努力し過ぎている」場合。同じく筋トレで考えると、ひたすら負荷をかけ続けることで、ある部位の筋肉だけが発達したり、そのために関節や骨を痛めたりするときです。要するに、間違った努力をしているわけですね。

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