2017.03.09
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Vol.01 看護師お悩み相談
~スタッフと看護師長に挟まれ悩んでいます(31歳・女性・病棟主任)~

【コラム/ナースぷらす】

メディカルサポネット 編集部からのコメント

ベテランになると、更新の育成も任されます。一人ひとり個性も能力も異なりますので「今回の新人が活躍できるには」の視点で良い結果を得られるよう工夫することが必要です。

 

 

看護師歴33年。現役看護部長の行徳倫子さんが、仕事の悩みに九州弁でお答えします。 人の命を預かるプレッシャー、忙しさや人間関係…ココロの重荷を、おりん姉さんの厳しくも温かいアドバイスで取り除いてみませんか?

 

“人を動かす” ~中間管理職の泣きどころを解決!

昼下がりのカフェで、2人の看護師が頬杖つきながら溜め息をついています。 

「うちのスタッフ……なかなか動かないから正直凹む」

とぼやきながら話すのは、病棟主任のⅠ子さん。 

「そうなんよね~。仕事与えても結果出ないし、動きもちーっともなおらん。何でやろう?

師長からは現場の教育はあなただからといわれるけど難しいわ……」

  

多くの中間管理職は、“人を動かす”という悩みを抱えています。ふたりも同じ悩みに苦しんでいるようですね。 能力がたりてない人に、それ以上を求めるのは厳しいものです。よい結果も得られず、途中でその人自身が壊れるリスクも高くなります。 そういう場合管理者は、その人をなおすのではなく、その人に合った仕事を提供すること、その人をうまく活用してよい結果を得ることを求められます。これは管理者としての采配能力が試される課題ともいえるでしょう。

おりんの処方箋

1.その人に合う仕事を選択して依頼する

2.仕事の丸投げはしない

3.仕事のよい評価は、必ず会議で公表する

 

1.その人に合う仕事を選択して依頼する

■スタッフ一人ひとりを観察してスタッフ個人を理解しましょう。

情報は、仕事の考え方、日常業務での動き、性格、記述した看護記録の内容、患者さんからの評判……などから得ます。 

 

■このスタッフは何が長けているか?よい所を挙げてみましょう。

よい所を探して、そのスタッフに合う仕事を与えるのが基本です。また、このスタッフに依頼する事で、どのくらい結果が得られるかを試算します。 

 

■仕事を依頼するときの伝え方

依頼するときは「あなたの、○○○(具体的に)な能力が優れているから、よい結果が期待できると信頼しています。だからこの業務に役に立ててほしいのです」というように、個人の能力を評価し、能力の活用法を伝えます。

 

2.仕事の丸投げはしない

■「仕事は任せた後は知らない」はNG!

情期待したい結果を得たいなら、丸投げではなく仕事の合間に声かけをします。また“詰まったら相談しに来ていいよ”と相談窓口をオープンにしておくことも必要です。 

 

■結果が出たら見直しを!

ひとつの結果が出たら一緒に見直しをしましょう。さらによい結果を生み出すよう導くことも大切です。

 

3.仕事のよい評価は、必ず会議で公表する

■“やりがい”や“向上心”を持たせる

働くこと、仕事をするということは、誰かの期待に応じることで成り立っているのです。その期待に応じ、結果を出せたことで人間は“やりがい”や“向上心”を抱くことになります。公表という手段は、ほかのスタッフへの刺激となり、現場の風土改善にも効果が得られると期待できます。 

  

■結果が出たら見直しを!

ひとつの結果が出たら一緒に見直しをしましょう。さらによい結果を生み出すよう導くことも大切です。

 

おりんオススメの中間管理職必読書 

コミュニケーションの秘訣を記した世界的名著の人を動かす』(著者 デール・カーネギー)の“人を動かす三原則”でも、これまで紹介したことと同様のことがかかれています。『人を動かす』に記されている、三原則は、

【原則1】 盗人にも5分の理を認める 

【原則2】 重要感を持たせる 

【原則3】人の立場に身を置く

 

本書では、 「人を非難するのはどんな馬鹿者にもできる。そして馬鹿者ほどそれをしたがるものだ」と記しています。つまり、他人を批判することはお互いに利益がないからやめようということです。そして、人にやりがいやモチベーションを持たせることために、素直で誠実な評価をくだす、常に相手の立場に立ってものごとを考える重要性も明記しています。 上司や部下とのコミュニケーションだけでなく、あらゆるシーンの人間関係に役立つスキルがぎっしりつまった一冊です。中間管理職の人もそうでない人も、コミュニケーションのヒントが得られると思うのでぜひ一度読んでみてください。

 

プロフィール

行徳倫子(ぎょうとく りんこ)


佐賀女子短期大学付属看護学校を卒業後、33年間看護師として民間病院や公的病院での一般急性期の医療に携わり、看護実践や教育・看護管理などの経験を培う。豊富な経験を活かした講演会やセミナーは悩める看護師たちに高く評価されている。現在は、医療法人鵬志会 別府病院にて看護部長として勤務中。

  

 

「職場カルテ」にご興味のある方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

  

 

 

出典: ナースぷらす+

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