2018.10.28
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シャーガス病のベンズニダゾール治療を行う場合の手続きと期間は?

メディカルサポネット 編集部からのコメント

データの操作やメーカーの関与をきっかけに、4月1日に施行された臨床研究法。現在、企業からの資金提供や、未承認・適応外薬の臨床研究が規制されています。臨床研究法については、厚生労働省のウェブサイトでも情報を提供しています。

 

在日ラテンアメリカ人のシャーガス病感染状況について,各地のラテンアメリカ人集住地域で感染を示唆するキャリアが見つかります。RT-PCRでもT. cruziキャリアを強く示唆する場合には,流行地の多くはベンズニダゾールで対処しています。わが国ではニフルチモックスしかないようですが,ベンズニダゾールでの治療を行う場合の諸手続,入手までの時間などについてご教示下さい。
国立国際医療研究センター・忽那賢志先生のご回答をお願いします。

【質問者】

三浦左千夫 NPO法人MAIKEN代表/長崎大学客員教授

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【回答】

【現在,国内では入手できない】

 

なんと……実は……現在,国内ではベンズニダゾールもニフルチモックスも手に入りません!! これまでこの2剤は,日本国内では熱帯病治療薬研究班の薬剤保管機関として,国立国際医療研究センターが管理・保管していましたが,臨床研究法の施行に伴い,こうした薬剤の管理が難しくなった現状があり,現在は保管していません。ですが,もしシャーガス病として治療の必要がある症例が発生した場合には,世界保健機関(World Health Organization:WHO)のNeglected Tropical Diseases部門から提供を受けることができることになっています。

 

WHOの担当者の連絡先をここに記載することはできませんが,国立国際医療研究センター国際感染症センター(info-dcc@hosp.ncgm.go.jp)までご連絡頂ければ,必要性を吟味の上で輸入のお手伝いをします。薬監証明などの手続きも必要になります。薬剤が届くまでの期間はこれまでの経験上,2カ月程度かかるようです。  

 

【回答者】

忽那賢志 国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室医長/国際診療部副部長(兼任)

 

 

執筆

三浦左千夫 (NPO法人MAIKEN代表/長崎大学客員教授)

忽那賢志 (国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室医長/国際診療部副部長(兼任))

 

 出典:Web医事新報

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