2020.04.23
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新型コロナ患者の入院対応、重症者は倍額の入院料を算定―厚労省・事務連絡

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚労省は4月18日、新型コロナウイルス感染症の重傷者を受け入れた場合の入院料の評価を2倍に引き上げることなどの、診療報酬上の臨時的な取り扱いを決定しました。①重症の新型コロナウイルス感染患者の治療に対する評価、②患者の重症化等を防ぐための管理及び医療従事者の感染リスクを伴う診療の評価、③新型コロナウイルス感染症患者の受入れに伴って必要となる手続きへの柔軟な対応―の3点について盛り込まれ、日々対応に追われる病院に対して、加算や事務手続きの簡素化などを通して評価しようとする対応がとられていると言えます。

 

厚生労働省は4月18日、中等症および重症の新型コロナウイルス感染症患者の入院治療に対する診療報酬上の臨時的な取り扱いについて、地方厚生局などに事務連絡した。ECMO(体外式心肺補助)や人工呼吸器による管理を必要とする患者を「特定集中治療室管理料」などを算定する病棟に受け入れた場合は、入院料の評価を2倍に引き上げることなどが柱。4月17日に持ち回り開催された中央社会保険医療協議会総会で了承された。

 

今回決まった診療報酬上の対応は、▶重症の新型コロナウイルス感染患者の治療に対する評価、▶患者の重症化等を防ぐための管理及び医療従事者の感染リスクを伴う診療の評価、▶新型コロナウイルス感染症患者の受入れに伴って必要となる手続きへの柔軟な対応―の3点。

 

重症患者の治療に対する評価では、「救命救急入院料」、「特定集中治療室管理料」、「ハイケアユニット入院医療管理料」を算定する病棟で、ECMOや人工呼吸器を必要とする患者を治療する場合は、通常の倍額の入院料を算定する。特定の状態の患者に関しては、本来14日までとされている「救命救急入院料」と「特定集中治療室管理料」の日数上限の延長も実施し、▶急性血液浄化(腹膜透析を除く)を必要とする状態、急性呼吸窮迫症候群、心筋炎・心筋症のいずれかに該当する患者は21日まで、▶ECMOを必要とする状態の患者は35日まで―とする。

 

中等症は「救急医療管理加算1」の倍額1900点を加算

 

患者の重症化防止と感染リスクを伴う診療の評価では、中等症以上の患者(酸素吸入が必要な状態)を「救急医療管理加算」の算定が可能な病棟に受け入れた場合は、14日を限度に「救急医療管理加算1」の2倍に相当する「1900点」を加算。さらに、感染リスクを伴う診療の対価として、「二類感染症患者入院診療加算」に相当する点数を上乗せできる。いずれも、算定にあたって届出をする必要はない。

 

例えば、「救命救急入院料2」算定病棟でECMOを必要とする患者の治療にあたった場合(入院3日以内)は、「救命救急入院料2」の倍額(2万3604点)に「二類感染症患者入院診療加算」相当分として1000点を上乗せした、総額2万4604点を算定する。中等症患者を「急性期一般入院料1」算定病棟に受入れた場合の1日当たり点数は、「急性期一般入院料」(1650点)と入院14日目までの加算(450点)に、「救急医療管理加算1」の2倍に相当する点数(1900点)と「二類感染症患者入院診療加算」(250点、4月8日の中医協総会で了承済み、既報)を加えた4250点となる。

 

「特定集中治療室管理料」などの届出手続きを特例的に簡素化

 

新型コロナウイルス感染症患者の受入れに伴う手続きでは、新型コロナウイルス感染症患者の受入れ、または受入れ体制を整えるために「救命救急入院料」、「特定集中治療室管理料」、「ハイケアユニット入院医療管理料」と同等の人員を配置した病床に、新型コロナウイルス感染症患者や、これら入院料を本来算定する病棟に入院するべき患者を受け入れた場合には、簡易な報告(運用開始日や人員配置などのみの報告)だけで、該当する入院料を算定できる。

 

また、通常、救命救急入院後に症状が安定して他の病棟に移った患者や、他病棟に入院中の患者が急性増悪で救命救急センターに転棟した場合には、「救命救急入院料」を算定できないルールがあるが、新型コロナウイルス感染症患者の受入れなどで、患者が院内の「特定集中治療室管理料」算定病棟などに転棟できない場合は、患者の同意を得た上で、入院元に関係なく、「救命救急入院料」を算定できることとする。その際には、▶本来入院すべき病棟の種別、▶本来入院すべき病棟に入院できない理由とその期間、▶当該病棟と同等の人員配置の病棟に入院する必要性―を記録し、保管しておく必要がある。

 


出典:
Web医事新報 

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