2022.04.07
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採用に苦戦する病院の典型的パターン
――(4)意思決定が遅い

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.9

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.8

 

編集部より

思ったように看護師を集めることができず、頭を悩ませている病院は少なくないでしょう。より効率的に、より確実に、より自院にマッチした人材を集めるためには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。本シリーズでは、医療業界の採用に長年携わってきた株式会社ITA取締役副社長の吉本賢次氏に、実例を踏まえた看護師採用のポイントを語っていただきます。第9回は、「勝てる採用」の必須条件である意思決定のスピードを改善するポイントを解説します。

 

取材・文/中澤 仁美(ナレッジリング)

撮影/和知 明(株式会社BrightEN photo)

編集/メディカルサポネット編集部

 

最高レベルの採用担当者が備える資質とは?

 

皆さんの職場では、採用担当者を専任で置いていますか? それとも他の業務との兼任でしょうか? 私がこれまで見てきた病院では、総務全般を1人の担当者がこなし、その一環として採用も担当しているというケースが少なくありませんでした。「給与計算までやっているので締め日付近は猛烈に忙しく、面接設定どころではないです」とこぼした方もおり、とても採用業務に集中できる環境ではないことが分かります。実は、採用プロセスにおける意思決定の遅さが、こうした採用担当者の多忙さに起因していることは少なくありません

 

私の経験上、少なくとも200床を超えるような病院では、採用担当者を専任で置いたほうがいいと考えています(できれば200床以下の病院でも)。人件費の壁があることは百も承知ですが、病院の全スタッフのうち最も多数を占める看護師の採用を担う以上、それだけに専念する人間がいてほしい。専任にすることで「レセプトの処理が忙しくて……」といった言い訳は通用しなくなります。そのほうがスムーズな採用につながり、かえって費用対効果に優れるケースも多いのです。

 

 

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.9

 

 

それでは、病院の根幹ともいえる看護師採用の担当者には、どんな資質が求められるのでしょうか。一言で言えば「対外折衝能力が高い」ことで、さらに営業経験があるならベスト。実際、これまで私が出会った採用担当者の中で際立って優秀だと感じた方の一人は、元・複写機メーカーの営業さんでした。コンサルティングに入っていた私が「人材紹介会社70社にすべて連絡を取ってください」と依頼すると、わずか2日間で達成。「飛び込み営業に比べれば何でもないですよ」と余裕の表情でした。レスポンスが速く人当たりも良いため、どの人材紹介会社からも非常に評判が高く、病院の人材不足は早々に解消していきました。

 

また、同じく印象的だった別の採用担当者(医師採用専任担当者)は、院内の事務室でじっと座っているということはなく、いつも人材紹介会社を訪ね回っていました。

 

 

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