看護職定着率アップヘッダー

 

編集部より

「20~30代の人材を獲得したくて多額な広告費や紹介手数料を支払ったのに、すぐに退職してしまった」…そんなお悩みを抱えている経営者・人事担当者様は多いのではないでしょうか。

人材が定着しない大きな原因は、採用時のミスマッチにあると一般的に言われていますが、なぜ20~30代のいわゆる“若手・中堅層”が定着せずに退職に至ってしまうのでしょうか。

  

今回は『看護師白書 2023年度版』の調査結果を元に、20~30代の看護師が退職してしまう理由と、その改善策を分析しました。

ぜひ、ご覧いただき今後の採用活動にお役立ていただければと思います。

  

編集・構成/メディカルサポネット編集部

 

▼全調査結果はこちらから▼

  

 

 

1.20代、30代の若手・中堅層が退職を検討する理由

 

 

以下は、『看護師白書 2023年度版』より、20代、30代の看護師の退職理由の上位5つを挙げたものです。

 

20代・30代の看護師の退職理由
1位 給与条件(年収・月収・手当・賞与など)に関する理由
2位 仕事内容・やりがいに関する理由
3位 人間関係に関する理由
4位 勤務時間・勤務体系 (交替制度・オンコール回数など)に関する理由
5位 ライフスタイルの変化(結婚・出産など)に関する理由

  

 

調査の結果、他の年代の看護師と比べてみても、20~30代の看護師の退職理由のうち、「勤務時間・勤務体系(交替制度・オンコール回数など)に関する理由」「ライフスタイルの変化(結婚・出産など)に関する理由」の回答は他の世代よりも高くなっています。

  

2.それぞれの理由の改善策

それでは、ここからは、上記で挙げられた主な退職理由の改善策を見ていきましょう。

給与条件

『看護師白書 2023年度版』では、現在の給与に満足していないと感じている1,548人に、どの項目が改善されれば給与に満足していると言えるか尋ねたところ、上位には以下の4つの項目が挙がりました。

  • 「賞与額」   55.6%
  • 「基本給額」  52.7%
  • 「月収額」    42.6%
  • 「年収額」          32.1%

 

この内容からも、各種手当額よりも賞与額や基本給額、月収額が改善されるほうが、給与への満足度が高くなると推察されます。

 

給与条件を見直す際は、賞与額に重きを置くなどの改善を検討するのも良いでしょう。

 

  仕事内容・やりがい

『看護師白書 2023年度版』では、仕事にやりがいを感じていると回答した1,572人に、それはどのようなときか尋ねたところ、上位には以下の4つの項目が挙がりました。
  • 「患者・利用者に感謝されたとき」     77.2%
  • 「自身のスキルアップ・成長を感じるとき」 41.5%
  • 「困難な仕事をやり遂げたとき」         37.3%
  • 「上司や先輩に働きぶりが評価されたとき」 37.0%
 
 
看護の提供で貢献していると実感することが、看護職員のやる気やモチベーションに大きく影響していると考えられます。
また、仕事を通して自身のスキルアップを感じることも、やりがいと感じられていることがわかります。
  

人間関係

職場でのストレスは退職の大きな要因となることもあります。

 

実際に、『看護師白書 2023年度版』で、ストレスを感じていると回答した2,410人に、何に対してストレスを感じるか尋ねたところ「上司や同僚との人間関係」が61.0%と、最も多く挙げられています。

 

職員間のコミュニケーションが円滑に取れるような工夫や、ハラスメント防止のための対策を行うことが重要でしょう。

 

勤務時間・勤務体系

時間外労働のうち、賃金の支払われない労働(サービス残業・早出など)が月平均で何時間あるか尋ねたところ、全て賃金が支払われているとの回答は全体の23.9%にとどまり、76.1%の職場でサービス残業や早出などが常態化していることが伺えます。

 

また、現在の職場における休憩時間の取得状況について、「休憩が取れていないと感じている」785人に、休憩時間が取れていない要因は何か尋ねたところ、上位には下記の4項目が挙げられました。

 

  • 「看護職員数が足りない」     67.0%
  • 「一人あたりの業務量が多い」 65.2%
  • 「看護以外の業務が多い」         38.0%
  • 「介護・看護補助などの職員数が足りない」 29.2%

 

これらの回答から、サービス残業や早出を減らすためにも、職員数を十分に確保し、ひとりひとりが休憩を取ることができるようにすることが重要だと考えられます。

 

ライフスタイルの変化(結婚・出産など)

20代~30代は、結婚や出産などのライフスタイルの変化が多く発生する年代でもあります。

育児や介護への支援を充実させることで、「安心してこの職場で働き続けられる」と思ってもらうことができるでしょう。

 

   

まとめ.20代、30代の若手・中堅層を定着させるには

  

『看護師白書 2023年度版』で看護職員の労働環境改善・定着のために何らかの取り組みを「実施している」と回答した124事業者に、 実施しているもののうち、どの取り組みの効果が高いと思うか尋ねたところ、上位には下記の4項目が上がりました。

  • 「十分な看護職員数の確保」 50.8%
  • 「時間外労働の削減」         44.4%
  • 「休暇の取得促進」 33.9%
  • 「賃金引き上げなどの待遇改善」 33.9%

  

やはり最も重要なことは、十分な看護職員数の確保であることがわかります。

職員数が十分であれば、時間外労働の削減や、休暇の取得促進も実現できます

 

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