2023.02.27
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看護マネジメントとは?組織を円滑に動かす看護管理者の仕事を紐解く

リーダーシップでチームの看護力を底上げ!

看護マネジメントとは?組織を円滑に動かす看護管理者の仕事を紐解く

  

編集部より

質の高い医療・看護サービスを提供する上で、看護現場をマネジメントする看護管理者の果たす役割は非常に重要です。特に近年は、地域包括ケアシステムの構築など、医療・看護を取り巻く状況に大きな変化が生じる中で、看護管理者に求められる資質も変化しています。

ここでは、看護マネジメントとはどういう職務なのか、看護マネジメント職に必要とされるスキルや、看護管理に関する資格である「認定看護管理者制度」について解説します。

                

編集/メディカルサポネット編集部

 

 

看護マネジメントとは、目標達成に向けた看護ケアを実践する組織運営業務のひとつ

看護マネジメントとは、「看護の対象者のニーズと看護職の知識・技術が合致するよう計画し、財政的・物質的・人的資源を組織化し、目標に向けて看護職を導き、目標の達成度を評価すること」です。これを役割とする人を看護管理者といい、多くの場合、師長や主任といった役職にある人が該当します。

 

看護師一人ひとりが個人の判断で動いていては、現場での連携がとれないため効率が悪く、十分な看護体制を整えることができません。看護マネジメントは、患者に対して必要とされるケアを円滑に提供する上で、欠かせないものといえます。

 

組織をまとめる看護マネジメント職

看護マネジメントを行う立場にあるのは、主に下記のような役職の人です。

 

看護部長

看護部長は、病院全体の看護部門の責任者であり、病院の運営にも関わる役職です。看護部の理念・目標を設定して全スタッフと共有することや、目標実現のための年間計画の策定とマネジメントが主な仕事で、採用計画の策定、経営会議への出席、病院長や事務長との交渉・調整なども行います。

 

看護師長

看護師長は、病棟や外来、手術室などの部門の責任者です。副看護師長や看護主任と協力して、スタッフがスムーズに仕事ができるよう部署をまとめていくのが主な仕事。部門の業務目標を決め、達成できるようにスタッフへの働きかけや、医療事故の予防・再発防止策の導入を行ったりもします。現場と経営陣の橋渡し役にもなる存在です。

 

看護主任

看護主任は、看護の現場を統括するリーダー的な存在で、スタッフナースとして経験を積んだ看護師が、最初に就く管理職です。病棟全体の看護業務がスムーズに進むように、スタッフ一人ひとりとコミュニケーションをとりながら日々の業務の進捗を把握し、適宜調整を行っていきます。また、新人教育や看護師長のサポートも看護主任の仕事です。 

 

看護マネジメントに必要なスキルとは?

公益社団法人日本看護協会が2018年に作成した「病院看護管理者のマネジメントラダー 日本看護協会版」では、地域包括ケア時代の病院看護管理者が獲得すべき能力の目標として、次の6つが挙げられています。

       

組織管理能力

組織管理能力とは、組織の方針を実現するための資源を活用し、看護組織を作る力です。

具体的には、看護方針を策定し浸透させる、経営的な視点から部署の人的・物的リソースを把握する、他部門と交渉・調整を行うといったことを指します。

 

質管理能力

質管理能力とは、患者の生命と生活、尊厳を尊重し、看護の質を組織として保証する力です。

具体的には、必要なデータを可視化し、活用、評価・改善するほか、手順や基準を整備し標準化・効率化を推進したり、継続的な看護の質を保証するための方策を立案・実施したりすることをいいます。

 

人材育成能力

人材育成能力は、将来を見据えて看護人材を組織的に育成、支援する力です。

具体的には、主任クラスなら、スタッフの能力を把握し目標達成に合わせた支援を行うことなどをいいます。師長クラスなら、個々のスタッフの可能性を見いだし、適切な機会や権限を与えて成長を支援すること。部長クラスなら、病院全体の人材育成方針の策定や、外部からの実習・研修受け入れのための体制整備などが挙げられます。

 

危機管理能力

危機管理能力とは、予測されるリスクを回避し、安全を確保するとともに、危機的状況に陥った際に影響を最小限に抑える力です。

具体的には、医療事故の未然防止や再発防止の意識を持って業務プロセスの見直しや部署内の改善を行うこと、リスクを分析し予防策を講じること、安全文化の醸成を図ることなどをいいます。

 

政策立案能力

政策立案能力とは、看護の質向上のために制度・政策を活用および立案する力です。

具体的には、既存の医療制度や政策の動向に関する情報を収集する、動向を踏まえて対応策を準備する、看護の質の向上のために有効な制度改正や制度の提案を行う、既存の制度を活用して自院や地域医療の課題解決を図るといったことが求められます。

 

創造する能力

創造する能力とは、幅広い視野から組織の方向性を見いだし、これまでにない新たなものを作り出そうと挑戦する力です。

具体的には、慣習にとらわれずに新たな看護サービスの提供方式・方法を提案する、その実現に向けてスタッフとともに行動する、地域のニーズを踏まえ、必要な看護サービスを他施設の看護管理者と共同して作り出すといったものが挙げられます。

     

認定看護管理者制度とは?

日本看護協会には、看護管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展させることができる力を持っていると認めた人を認定する「認定看護管理者制度」があります。

認定看護管理者になっても給与に反映されることはあまりありませんが、キャリアアップを目指す看護師にとっては、目標となる資格です。また、マネジメント職の育成やよりレベルの高い看護マネジメントを実践するために、病院などが組織として資格取得を奨励する場合もあります。

 

認定看護管理者を受験するには、看護師として5年以上の実務経験(そのうち通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験)があることに加え、「認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している」「看護管理に関連する学問領域で修士以上の学位を取得している」のどちらかの条件を満たしていることが必要とされます。

 

認定審査は書類審査と筆記試験からなり、合格すれば認定看護管理者として登録されます。

    

認定看護管理者教育課程の受講要件

認定看護管理者を受験するための条件になっている認定看護管理者教育課程とは、各都道府県の看護協会や大学等で設けられた講座で、ファーストレベル105時間、セカンドレベル180時間、サードレベル180時間のカリキュラムです。

レベルによって下記のように、受講要件や教育目的が異なっています。

  

 

■認定看護管理者教育過程のレベル別受講要件と教育目的

教育課程

受講要件

教育目的

ファーストレベル

・看護師として5年以上の実務経験がある

・管理業務に関心がある

看護専門職として必要な管理に関する基本的知識・技術・態度を習得する

セカンド

レベル

・看護師として5年以上の実務経験がある

・下記のうちのどれかに該当する

1)ファーストレベルを修了している

2)看護部長相当の役職についている

3)副看護部長相当の役職に1年以上ついている

看護管理者として基本的責務を遂行するために必要な知識・技術・態度を習得する

サード

レベル

・看護師として5年以上の実務経験がある

・下記のうちのどれかに該当する

1)セカンドレベルを修了している

2)看護部長相当の役職についている

3)副看護部長相当の役職に1年以上ついている

多様なヘルスケアニーズを持つ個人、家族、地域住民および社会に対して、質の高い組織的看護サービスを提供するために必要な知識・技術・態度を習得する

看護マネジメント職は課題を見極め解決し、より質の高い看護を提供するスペシャリスト

看護マネジメントを実践できる人材は、医療機関が患者に対して必要とされるケアを円滑に提供する上で欠かせない存在です。優秀な人材を採用すること、キャリアアップを目指す看護師を教育して人材を育てることは、組織全体の力となります。

 

組織力の底上げを検討している場合は、看護マネジメント人材の採用や教育を考えてみるのもおすすめです。

 

 

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