2018.06.12
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結果報告~事業所における介護労働実態調査結果~

【平成28年度/介護労働実態調査】

公益財団法人 介護労働安定センターは2016年(平成28年)10月1~31日にかけて、全国の介護保険サービス事業を実施する18,000事業所(無作為抽出)にアンケートを依頼、17,641件を回収しました。その中から、一事業所あたり介護にかかわる労働者3名を上限に、無作為に選出した54,000人に対しアンケート調査が実施されました。有効対象労働者数52,923人で、有効回答があったのは21,661人です。メディカルサポネット編集部では調査結果を元にまとめました。

▼目次

  

I.雇用管理の状況

1.訪問介護員、介護職員の一年間(平成27年10月1日から平成28年9月30日まで)の採用率・離職率

採用率19.4%(前年度20.3%)、離職率16.7%(前年度16.5%)でした。中でも介護職員の採用率・離職率・増加率ともに訪問介護員より高く、介護職員の方が転職をくり返す傾向にあります。

 

 

◎職種・形態別の離職率と採用率は下表のとおりです。

 

 

(1)職種・就業形態別の離職率

訪問介護員では正規職員の方が非正規職員より離職率が高くなりました。他方、介護職員については非正規職員の方が正規職員より高くなっています。

 

 

(2)採用率・離職率の経年変化<2職種(介護職員・訪問介護員)計>

採用率は平成25年度以降減少しています。離職率はここ数年16~17%台で推移しています。

 

Ⅱ.早期離職防止や定着促進のための方策(複数回答)

「本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善に取り組んでいる」が66.4%でした。

 

Ⅲ.従業員の過不足

(1)過不足の状況

介護サービスに従事する従業員の過不足状況を見ると、不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は62.6%(前年度61.3%)でした。一方、「適当」と回答された方が37.0%(前年度38.2%)です。職種別の不足感では、「訪問介護」「介護職員」は最も不足感の低い「生活相談員」と2~3倍の差があります。職種別に不足感に違いが見られます。

 

  

 

 

  

(2)不足している理由(複数回答)

従業員が不足している理由は、「採用が困難である」が73.1%で、前年度の70.8%を上回ってます。人材が困難であるため、従業員の不満が高まり、離職につながる法人・企業も少なくありません。

 

 

 

回答数 今の仕事を続けたい

今の仕事以外で(注)の仕事をしたい

(注)以外の仕事をしたい わからない 働きたくない

全体

21,661

53.7%

22.5% 4.8% 14.0% 1.9%
正規職員 15,179 52.4% 24.0% 5.3% 14.1% 2.0%
非正規職員

6,077

58.8% 18.6% 3.7% 14.3% 1.9%

 (注)訪問介護員、サービス提供責任者、看護職員、介護職員、生活相談員、介護支援専門員、PT・OT・ST等。

 

(3)採用が困難である理由(複数回答)

採用が困難である原因は「賃金が低い」が57.3%が最も多く、前年度の57.4%と拮抗しています。その他、「仕事がきつい(身体的・精神的)」の49.6%、「社会的評価が低い」の41.1%が続きます。賃金が低いことはすぐには改善できず採用が難航するのと同時に、他職員との兼ね合いも考えなければいけないなど、デリケートな対応が求められる問題です。

 

 

 

 

Ⅳ.過去3年間に介護を理由に退職した従業員の有無

過去3年間に介護を理由に退職した従業員は23.4%(前年度は23.5%)です。半数以上が介護以外の理由から退職していることがわかります。

 


回答事業所数 いた いない わからない
8,907 23.4% 65.0% 8.4%

 

 

II.訪問介護員、介護職員に対する教育・研修の状況

人材育成の取り組みのための方策を複数回答で選ぶ調査では、「教育・研修計画を立てている」を選ぶ施設が56.0%と最多でした。前年度は56.2%です。以下、「自治体や、業界団体が主催する教育・研修には積極的参加させている」(34.2%)、「職員に後輩の育成経験を持たせている」(34.1%)、「採用時の教育・研修を充実させている」(34.0%)、「教育・研修の責任者(兼任を含む)もしくは担当部署を決めている」(33.5%)、「能力の向上が認められた者は配偶や処遇に反映している」(30.9%)と続きます。自治体や自社内で教育・研修を行っているところは多いものの、同業他社との協力、ノウハウを共有しての育成は6.7%と低い結果が見られました。

 

 

 

III.運営上の課題

1.介護サービスを運営する上での問題点(複数回答)

「良質な人材の確保が難しい」が55.3%で最多(前年度53.6%)、次いで、「今の介護報酬では人材確保・定着のために十分な賃金を払えない」も50.9%と過半数を超えています。

 

 

2.介護職員処遇改善加算に伴う経営面での対応状況(複数回答)

「一時金の支給」63.4%、「諸手当の導入・引き上げ」54.6%、「基本給の引き上げ」36.5%と報酬面の対応を行っている職場が多く見受けられます。また、すぐに給与として反映できない企業は、教育や正規職員への登用、昇進・昇格の明確化などの福利厚生の対応を行っている職場もあります。

 

 

3.介護ロボットの導入

介護ロボットを導入していない事業所が78.8%と大半を占めますが、「入浴支援機器」が1.8%、「見守り支援機器」が1.5%と続きます。

 

 

IV.労働者の個別状況(個別調査結果)

8,907事業所で介護労働に従事する者79,796人の状況です。

※事業所管理者(施設長)は除かれています。

 

1.平均年齢

全体の平均年齢は46.8歳で、前年度は46.3歳ですが、資格別では、訪問介護員の53.3歳(前年度は53.0歳)が最高齢で、看護職員(49.6歳)、介護支援専門員(49.1歳)、サービス提供運営者(48.1歳)が続きます。

 

 

2.保有資格(複数回答)

介護職員初任者研修39.6%(前年度43.2%)、介護福祉士39.5%(前年度37.9%)が突出してます。

 

3.所定内賃金(月給の者)

 

労働者全体の平均月給は224,848円です。前年度は217,753円でした。平均月給は「訪問介護」より「介護職員」の方が高い傾向にあります。一方、平均日給と平均時間給は、「介護職員」よりも「訪問介護」の方が高い傾向でした。

  

4.賞与

労働者で「賞与あり」が54.7%、平均額は424,390円でした。事業所管理者(施設長)で「賞与あり」は47.5%、平均額は688,032円でした。

 

 

  

  

V.法人・事業所の概況

1.法人格(経営主体)

民間企業が56.0%(前年度55.5%)を占めます。施設系(入所型)は「社会福祉法人」が最も高く、訪問系と施設系(通所型)は「民間企業」が多いです。

 

 

2.介護サービス以外の事業の実施

介護サービス以外の事業を実施しているのは55.0%(前年度52.0%)でした。内訳は、訪問系59.1%、施設系(入所型)50.1%、施設系(通所型)54.1%です。

 

3.実施している介護サービスの種類(複数回答)

「居宅介護支援」37.2%(前年度37.3%)、「訪問介護」37.1%(前年度37.7%)、「通所介護」27.2%(前年度44.9%)でした。

 

 

【出典】公益財団法人介護労働安定センター

 

メディカルサポネット編集部

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