2021.02.22
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常に学び続け、成長したい
~大学病院リハビリテーション部主任~

実践者に聞く!
デキる介護管理職のモチベーションアップ術 vol.5

 

編集部より

ますます需要が高まる介護現場において、施設管理やスタッフ勤怠管理など管理職の方たちに求められるマネジメントスキルも高まっています。しかし、必ずしも「管理職になりたくてなった」とは限らず、また、十分な管理職教育を受けられるとも限らず、孤独になりがちな介護管理職に向けたマネジメントに関する情報はこれまで多くは語られてきていません。

本連載では、看護師・保健師を経て現在は人材育成・組織開発コンサルタントとして活躍されている久保さやかさんが、「介護管理職のモチベーション」をテーマに、医療介護業界で活躍する管理職や経営者に実際にお話を伺いながら、そのありかを探っていきます。医療介護業界の管理職の楽しさがわかる、明日からのモチベーションが上がる、そんな気持ちにさせてくれる全6回のコラムです。

 

執筆/久保 さやか(thoughts代表/看護師・保健師)

編集/メディカルサポネット編集部

「介護業界の管理職のモチベって、なんだ?」

そんな単純な疑問から、この連載は始まりました。

あれやこれやと苦労の堪えない管理職のモチベーションのありかを探す、そんな旅のような企画です。

 

大学病院リハビリテーション部 主任 コンさんの場合

今回お話を聞かせてくれたのは、大学病院リハビリテーション部で主任を務めるコンさん。理学療法士です。これまで登場していただいた方たちは、どちらかというと中小規模の管理職でした。大きな組織の、いわゆるミドルマネジメント層であるコンさんのモチベは、一体どこにあるのでしょうか。

 


コロナ渦でのチーム運営

やりがいを感じる時は、下の子たちが楽しそうに仕事をしている姿を見ることです。

成長が見えてくる時も嬉しいですね。しっかりしてくる、というか頼れるようになるというか。

  

コロナで病院全体が大変だった時も、下の子たちだけで結構動いてくれたんです。あの時、すごい救われました。急に在宅勤務になった時も、在宅でやれることを必死で考え、仕事をやってくれていました。さぼるスタッフは誰もいなかった。上司が大変だから、自分たちも頑張る、そんな風潮だったと思います。

  

上司は、実際大変そうで。私自身も上司のサポートをしよう、やれることをやろうと思っていました。私の思いを部下にも伝えていたのが良かったのかもしれません。

 


リーダー像の模索、「1歩下がる」「ひいて見守る」(どっちか)リーダーシップの実践

主任になったのは3年前。同時に異動もしました。当時は、“主任”のイメージに悩んでいたんですよ。目の前にいる上司と同じように、決断が速く、引っ張ることが良いリーダーだと思っていて、私にはできそうにないなと。

今は、私は「1歩下がる」/「ひいて見守る」(どっちか)リーダーになろうと思っています。部下と上司との仲介役として、見守るリーダーもありなんじゃないかと。上司は、現場にいないことも多いのですが、私はメンバーの側にいる。みんなの聞き役になって、声をかけて、問題があったら上司に相談をする。決断をすぐにすることはできないけれど、上司に相談することはできる。このスタイルが決して正解ではないとは思うけれど、いろいろなリーダーがいても良いのだと思えるようになりました。

 

 


自分自身が楽しく働く。理学療法士としての軸は変わらない。

何より、自分が楽しく仕事をすることが大切だと思っています。臨床、とても楽しいです。

主任になっても、管理業務だけじゃなく、患者さんを担当します。「患者さんを歩けるようにして、自宅に帰す」ことがチームの目標です。なので、私もちゃんと臨床業務をやらなきゃいけない。退院した患者さんが、外来通院の時にリハビリ室に寄ってくれたり、こんなに元気になったよ!と見せに来てくれたりすると、すごく嬉しいですね。

  

これは、理学療法士としての「主軸」なんだと思います。なので、主任になって、管理や教育などやらなきゃいけないこと、学ばなきゃいけないことは増えていますが、それでも臨床に必要な技術的な勉強は続けています。

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