2020.12.11
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グループホーム夜勤体制、人員配置を一部緩和 3ユニットのみ条件付きで 厚労省

メディカルサポネット 編集部からのコメント

来年4月の介護報酬改定に向けて議論を進めていた、グループホームの夜勤体制について、3ユニットのみ条件つきで人員配置の緩和を認める決定をしました。現行は1ユニットごとに夜勤1人で、今後もこれを維持していきますが、3ユニットの場合、「各ユニットが同一階に隣接している」など設定された要件を満たせば、2人夜勤が可能となります。一部の委員からは「緊急時などに十分対応できるのか不安」など声があがりましたが、厚生労働省は「安全対策など厳しい要件を設けることにした。しっかりと事後検証も実施し、次の2024年度改定に向けて必要な対応を検討していく」などと理解を求めました。

 

《 社保審・介護給付費分科会 9日 》

《 社保審・介護給付費分科会 9日 》

 

厚生労働省は9日、来年4月の介護報酬改定をめぐる争点の1つとなっていたグループホームの夜勤職員の配置基準について、見直しの方針を決定した。【Joint編集部】

 

現行は1ユニットごとに夜勤1人。今後もこれを維持するが、3ユニットを有する事業所に限って例外的に2人夜勤への緩和を認める。その際、以下の要件を設定するとした。

 

○ 各ユニットが同一階に隣接している

 

○ 職員が円滑に利用者の状況把握を行い、速やかに対応できる構造となっている。

 

○ マニュアル策定や訓練実施などの安全対策をとっている

 

厚労省は社会保障審議会・介護給付費分科会で説明。大筋で了承を得た。

 

第196回社会保障審議会介護給付費分科会資料

 

グループホームの夜勤配置をめぐっては、更に踏み込んだ緩和を行うよう関係者らが要望していた経緯がある。例えば事業者団体は、ICTの活用などを前提に2ユニットを「夜勤1人+オンコール」の体制に改めてはどうか、と提案していた。人材確保がますます難しくなっていることを念頭に置いたものだ。

 

これに対し審議会では、「サービスの質が低下する」「利用者の安全を確保できなくなる」「既存の職員の負担が増す」といった批判が噴出。慎重な判断を促す声が相次いでいた。

 

9日の会合では、今回の厚労省の方針に対して一部の委員が異議を唱えた。「緊急時などに十分対応できるのか不安」「やはり職員に重い負担がかかるのではないか」。これを受けた厚労省は、「安全対策など厳しい要件を設けることにした。しっかりと事後検証も実施し、次の2024年度改定に向けて必要な対応を検討していく」などと理解を求めた。

 

 

出典:JOINT

 

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