2020.03.17
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【書評】『レジデントのための循環器教室 症例で学ぶ循環器診療のリアル』本当に読み終えてから書いた推薦文

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医学部では教えてくれない、現場での動き方・考え方を学ぶ一冊です。症例カンファレンスを通して、循環器診療のリアルな現場が描かれています。すべてのレジデントに身につけてもらいたい「臨床現場での考え方」是非、チェックしてみてください。

 

【書評】『レジデントのための循環器教室 症例で学ぶ循環器診療のリアル』本当に読み終えてから書いた推薦文 【書評】『レジデントのための循環器教室 症例で学ぶ循環器診療のリアル』本当に読み終えてから書いた推薦文

   

医学論文の多くは、時が経てば朽ちていく。あるいは、「事実ではない」と覆される。いまこのときの「エビデンス」などかげろうのようなものだ。真実であるものは「思考の洗練」しかない。

 

患者をみる。心電図を読む。心エコーやCAGをみる。トライアルで織りなされた歴史の本筋を知り、「枯れた、筋のよい理屈」を理解する。

 

たくさんの情報があっても、「思考の洗練」がないと、どこにもたどり着かない。

 

病態、薬理、侵襲的治療の極意などは他の本にも書かれている。もっとシンプルなテキストも、もっと詳細なテキストもある。

 

循環器診療を扱っているようにみせて……、本書は知識の断片には、こだわっていない。

 

「犯人を追う歩き方」「職人の考え方」「大人としての発想」などフィロソフィーを語っている。

 

その意図があればこそ、論文の読み込み方、直感の活かし方、冠動脈を見る視点、薬理学の深み、意表を突く症例など「渋いところ」に話が向かうのだ。

 

18編の短編小説になっている。

 

【著】佐々木達哉(尚和会宝塚第一病院循環器内科)

築島直紀(健和会大手町病院循環器内科)

 出典:Web医事新報

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