2019.02.22
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首都圏で麻疹患者続出、医療者らに予防接種推奨も
東京は2011年の流行に次ぐペースで拡大

メディカルサポネット 編集部からのコメント

国立感染症研究所が発表したデータによると、2019年度の麻疹の累積報告数の推移は近年でも群を抜いて高い数値を示しています。既に報道されている関西や中部だけでなく、首都圏からの報告数も増えています。極めて強い感染症です。季節の変わり目ということもあり、体調を崩された方、花粉症の方などが病院やクリニックを訪れていることと存じます。医療関係各位は予防対策に万全の注意を払ってください。

 

 首都圏で麻疹(はしか)の患者報告が相次いでいる。東京都では、2011年の流行に次ぐペースで増加。神奈川県では既に18年の患者数を上回っている。国内での感染が疑われる患者が出た千葉県は「医療従事者、保育関係者、教育関係者、不特定多数の人と接触する職業に従事する方には確実な予防接種が推奨される」としている。【新井哉】

 

麻疹を「注目疾患」として取り上げた千葉県結核・感染症週報

 

 東京都によると、19年の患者報告数(20日集計)は14人。国内での感染が疑われるケースが全体の6割近くを占めている。年齢別では、10歳未満が3人、10歳代が1人、20歳代が5人、30歳代が2人、40歳代が3人となっている。

 

 千葉県では4人が麻疹と診断されており、患者が利用した施設における接触者を調査し、健康観察を行っている。同県は、麻疹を疑う症状が現れた場合、医療機関に電話で連絡し、指示に従って受診するよう求めており、「受診時は周囲への感染を防ぐため、公共交通機関等の利用を避けることが重要」としている。

 

 ワクチン接種で感染のリスクを最小限に抑えられるが、接種していなかったり、接種歴が分からなかったりするケースが少なくない。埼玉県では2人の患者が報告されているが、1人が接種歴「なし」、もう1人が「不明」だった。東京都の患者のワクチン接種歴に関しても「なし」と「不明」が全体の9割超を占めている。

 

 麻疹の感染拡大を防ぐためには、海外から国内に持ち込ませないことが重要だ。18年の患者数(6人)を上回る8人の患者が報告されている神奈川県は、麻疹の流行地域に渡航する場合、予防接種歴を確認し、接種を検討するよう促している。

 

  

 出典:医療介護CBニュース

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