2019.02.21
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時間外労働、研修医や専攻医の水準案を提示
厚生労働省、健康確保措置の充実で対応も

メディカルサポネット 編集部からのコメント

2月20日に「第19回 医師の働き方改革に関する検討会」が開催され、時間外労働規制のあり方などについて、話し合われました。研修医・専攻医については、一定期間集中的に働くことが必要「長時間労働が強制される」「やる気をそぐ」と、キャリアプラン次第で意見が分かれるようです。

 

 厚生労働省は20日、「医師の働き方改革に関する検討会」に対し、初期研修医や専攻医の時間外労働の水準案を示した。地域医療確保のための暫定特例水準として検討中の上限「年1860時間」と同じ水準を適用することを視野に入れている。一般の勤務医の上限の「年960時間」を大幅に上回ることも見込まれるため、連続勤務時間は15時間に制限し、勤務医の追加的健康確保措置よりも充実させたい考えだ。【新井哉】

 

 

 厚労省の案では、臨床研修病院ごとの臨床研修プログラムや各学会・日本専門医機構が認定する専門研修プログラムで、時間外労働の直近の実績を参考にした「想定最大時間数」を明示する。「年960時間」の上限を超える医療機関については、都道府県が医療機関を特定した上で、勤務間インターバル(9時間)などを含めた追加的健康確保措置を義務付ける。

 

 この水準を適用する研修医・専攻医については、「予め作成された研修計画に沿って、一定期間集中的に数多くの診療を行い、様々な症例を経験することが医師(または専門医)としての基礎的な技能や能力の習得に不可欠な場合」といった考え方を示している。

 

 各医療機関が医師を採用後、初期研修・専門研修に36協定を適用する。時間数が実態と乖離している場合は、「臨床研修病院の指定、専門研修プログラムの認定スキームの中で是正させる」としている。

 

 検討会の構成員からは、「望まない医師まで長時間労働が強制されるのは認められない」との意見が出た一方、制度の設計次第では、「一生懸命やりたい研修医のやる気をそぐ」と懸念する声も出た。今後、水準の詳細や追加的健康確保措置などを取りまとめる見通し。

 

  

 出典:医療介護CBニュース

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