2019.02.13
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オプジーボの重大な副作用に血球貪食症候群追記
厚生労働省が添付文書改訂を指示

メディカルサポネット 編集部からのコメント

1月18日時点で医薬品の評価中のリスクに関する情報が公表されていましたが、2月12日に添付文書(使用上の注意)改訂の指示が厚生労働省より出されました。各医薬品についての「使用上の注意の改訂指示内容」や「調査結果概要」についての報告書は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のwebサイトで確認できますのでご参照ください。

 

 厚生労働省は12日、新たに重大な副作用などが確認された医療用医薬品について、添付文書(使用上の注意)改訂の指示を出した。改訂の対象となった主な医薬品は以下の通り。【新井哉】

 

 

〔ニボルマブ(遺伝子組換え)〕商品名はオプジーボ点滴静注100mgなど。切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんなどに効能・効果がある。「重大な副作用」の項に「血球貪食症候群」を追記。「重大な副作用」の項の「免疫性血小板減少性紫斑病」を「重篤な血液障害」と改め、「溶血性貧血」「無顆粒球症」に関する記載を追記する。国内の症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。過去3年の副作用報告で「血球貪食症候群」の関連症例が10例(因果関係が否定できない症例は3例)、「溶血性貧血」の関連症例が15例(因果関係が否定できない症例は3例)、「好中球減少」の関連症例(無顆粒球症を含む)が33例(因果関係が否定できない症例は12例)あった。

 

〔トラスツズマブ(遺伝子組換え)〕商品名はハーセプチン注射用60など。HER2過剰発現が確認された乳がん、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに効能・効果がある。「重大な副作用」の項に「腫瘍崩壊症候群」を追記する。国内の症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。過去3年の副作用報告で「腫瘍崩壊症候群」の関連症例が3例(因果関係が否定できない症例は2例)あった。

 

〔ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)〕商品名はキイトルーダ点滴静注100mgなど。切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんなどに効能・効果がある。「重大な副作用」の項に「血球貪食症候群」を追記。「重大な副作用」の項の「免疫性血小板減少性紫斑病」「溶血性貧血」「赤芽球癆」を「重篤な血液障害」と改め、「無顆粒球症」に関する記載を追記する。国内の症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。過去3年の副作用報告で「血球貪食症候群」の関連症例が9例(因果関係が否定できない症例は7例)、「好中球減少」の関連症例(無顆粒球症を含む)が7例(因果関係が否定できない症例は4例)あった。

 

〔グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル〕商品名はマヴィレット配合錠。C型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に効能・効果がある。「重要な基本的注意」の項に「肝機能障害、黄疸」に関する注意喚起を追記。「重大な副作用」の項を新設し、「肝機能障害、黄疸」を追記する。国内の症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。過去3年の副作用報告で「肝機能障害」の関連症例が11例(因果関係が否定できない症例は5例)あった。

 

〔パルボシクリブ〕商品名はイブランスカプセル125mgなど。手術不能または再発乳がんに効能・効果がある。「重要な基本的注意」および「重大な副作用」の項に「間質性肺疾患」を追記する。国内の症例が集積し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。過去3年の副作用報告で「間質性肺疾患」の関連症例が12例(因果関係が否定できない症例は6例)あった。

 

  

 出典:医療介護CBニュース

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