2019.02.06
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抗インフルエンザ薬、小児が吸入できず処方変更も
医療機能評価機構が薬局ヒヤリ・ハット報告書公表

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医療機能評価機構は薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業について、WEBサイトから発信するだけでなく、Facebookも運用しています。専門家が報告されたヒヤリ・ハット事例の中から、医療安全対策に有用な情報として共有すべきる事例を選定し、「事例のポイント」とともに掲載しています。 「共有すべき事例」は検索も可能なので、スタッフ教育の教材としてもぜひご活用ください。

 

 日本医療機能評価機構は、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の報告書を公表した。医師が4歳の小児に対して抗インフルエンザウイルス薬のイナビル吸入粉末剤20mgを処方したが、薬局側が吸入粉末剤の使用は難しいと判断し、タミフルドライシロップ3%への処方変更を提案した事例などを取り上げている。【新井哉】

 

日本医療機能評価機構が公表した薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の報告書

 

 報告書によると、2018年1月から6月までに、イナビル吸入粉末剤20mgからタミフルドライシロップ3%・タミフルカプセル75に処方が変更された事例が5件あった。

 

 4歳の小児のケースでは、イナビル吸入粉末剤20mg(1キット1日1回2吸入)が処方されたが、薬剤を交付する際、吸入確認用の笛を使用したところ、確認の目安となる音が出なかったため、吸入粉末剤の使用は難しいと判断した。

 

 処方した医師に連絡し、処方変更を提案したところ、タミフルドライシロップ3%に変更された。処方医は小児科医でなかったため、吸入可能な年齢の判断が難しかったという。

 

 報告書では、改善策として、▽処方された薬剤と患者の家族から聞き取った情報を照らし合わせ、年齢に適した薬剤であるか確認を行う▽患者にとって、より適した薬剤があると判断した場合は、処方医に処方提案をしていく―ことを挙げている。

 

  

 出典:医療介護CBニュース

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