メディカルサポネット 編集部からのコメント12月3日に厚生労働省で平成30年度 第6回薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会が開催され、骨粗鬆症治療薬「イベニティ」などが審議されました。「企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益もしくは不利益を与えるおそれがあるため非公開とする」ではありましたが、審議事項、報告事項については厚生労働省のウェブサイトで公開されています。 |
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は3日、下掲の医薬品の製造販売や効能追加などの承認を了承した。
アステラス・アムジェン・バイオファーマが申請した「イベニティ」(一般名:ロモソズマブ)は、骨折の危険性の高い骨粗鬆症に用いる注射薬。同薬は、骨芽細胞系細胞での古典的Wntシグナル伝達経路を遮断して骨形成を阻害するスクレロスチンに対する抗体。スクレロスチンに結合することで骨形成を促進するとともに骨吸収を抑制し、骨量を増加させる。通常、成人には210mgを1カ月に1回、12カ月皮下投与する。
■末梢性神経障害性疼痛に用いる「タリージェ」了承
第一三共の「タリージェ」(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)は、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛などをはじめ、様々な原因で生じる末梢性神経障害性疼痛に用いる治療薬。電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに対するリガンドで、カルシウムの流入を減少させ、脊髄後角での興奮性神経伝達物質を抑制することで疼痛を緩和する。類薬には「リリカ」(一般名:プレガバリン)がある。初期用量として1回5mgを1日2回経口投与。その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔を空けて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。
■ADHD治療薬の流通管理で意見募集へ
同日の部会では、塩野義製薬が小児期における注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬として申請した「ビバンセ」(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)の承認の可否についても審議されたが、継続審議扱いとなった。同薬に覚醒剤の原料に指定されている成分が含有されていることから、厚生労働省が適正な流通管理のあり方に関してパブリックコメントを募集することとなった。
販売名(会社名) | 一般名 | 効能・効果等 |
イベニティ皮下注105mgシリンジ (アステラス・アムジェン・バイオファーマ) |
ロモソズマブ(遺伝子組換え) | 骨折の危険性の高い骨粗鬆症 |
スーグラ錠25mg、同50mg (アステラス製薬) |
イプラグリフロジン L-プロリン | 1型糖尿病を追加 |
①ビムパットドライシロップ10% ②同錠50mg ③同錠100mg ④同点滴静注200mg(ユーシービージャパン) |
ラコサミド |
①②③てんかん患者の部分発作(二次性全般化作用を含む、小児用量を追加) ④一時的に経口投与ができない患者における、てんかん部分発作(二次性全般化発作を含む)の治療に対するラコサミド経口製剤の代替療法 |
タリージェ錠2.5mg、同5mg、同10mg、同15mg(第一三共) | ミロガバリンベシル酸塩 | 末梢性神経障害性疼痛 |
ミネブロ錠1.25mg、同2.5mg、同5mg (第一三共) |
エサキセレノン | 高血圧症 |
デムサーカプセル250mg (小野薬品工業) |
メチロシン | 褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善 |
レルミナ錠40mg(武田薬品工業) | レルゴリクス | 子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善 |
ビソノテープ2mg、同4mg、同8mg (トーアエイヨー) |
ビソプロロール | 頻脈性心房細動を追加 |
出典:Web医事新報