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メディカルサポネット 編集部からのコメント2023年上半期の訪問介護事業者の倒産件数は過去最多となり、その主な原因は売上不振、基本報酬の引き下げ、そしてホームヘルパーの不足です。特に零細・中小事業者の倒産が増加しており、負債の多い企業も影響を受けています。訪問介護は地域包括ケアにおいて重要な役割を果たしていますが、倒産が相次ぐことでサービス基盤が揺らいでいます。支援策は存在するものの、物価上昇や賃上げにより厳しい状況が続いており、専門家は基本報酬の改善とヘルパーの賃上げが急務であると指摘しています。介護政策は選挙の焦点として取り上げるべきであるとされています。 |




訪問介護事業者の倒産が、今年も過去最多のペースで推移している。
東京商工リサーチが7日に公表した最新のレポートで明らかになった。【Joint編集部】
今年1月から6月までをみると、訪問介護事業者の倒産は45件。
上半期として2年連続で過去最多を塗り替えた。原因では売上不振が38件と8割を超えており、基本報酬の引き下げやホームヘルパーの不足が経営を直撃している構図が浮かぶ。

倒産の波は零細事業者にとどまらず、中小・中堅事業者にも広がっている。
職員10人以上の事業者の倒産が9件。負債1億円以上は6件、資本金1千万円以上も6件あった。
いずれも前年の2倍で、業界の地盤沈下が進んでいる現状を読み取れる。
訪問介護は在宅の最前線を持ち場とする地域包括ケアの要。その運営には、事業者の十分なノウハウ、ヘルパーのスキルと柔軟な対応力、利用者・家族からの信頼が欠かせない。
制度の創設からこれまで、地域を支えてきたのは零細・小・中堅の事業者だった。
現在、その倒産や休廃業が相次いでサービスの基盤が大きく揺らいでいる。
国や自治体の支援策もあるが、物価の高騰や他産業の賃上げなども追い打ちをかけるなか、収益改善の糸口は見えにくい。
東京商工リサーチは、「デジタル化による効率化や人材確保につながる賃上げが課題だが、自力での経営改善には限界がある」と分析。
「国や自治体の支援強化が必要。訪問介護業界の明るい環境を作ることが急務」との見方を示した。
淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「速やかな臨時の報酬改定で、まずは基本報酬を引き下げ前の水準に戻すべき。
それだけで状況が好転するわけではないが、2024年度の報酬改定を反省し、訪問介護の体制整備を重視して今後も推進していくという姿勢を、国として明確に示すことが大事ではないか」と指摘。
「当然、さらなる基本報酬の引き上げやヘルパーの賃上げが欠かせない。参院選では介護政策にも焦点を当ててもらいたい」と述べた。
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出典: JOINT
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