メディカルサポネット 編集部からのコメント厚生労働省の「新たな地域医療構想等に関する検討会」は12月10日、「医師偏在対策に関するとりまとめ(案)」を大筋で了承しました。その中で、診療所医師の偏在是正では、医師数が突出して多い地域での新規開業に対し、都道府県知事による要請・勧告等と保険医療機関指定上の取り扱いの厳格化を組み合わせた措置の導入を提案しています。 |
厚生労働省の「新たな地域医療構想等に関する検討会」は12月10日、「医師偏在対策に関するとりまとめ(案)」を大筋で了承した。診療所医師の偏在是正では、医師数が突出して多い地域での新規開業に対し、都道府県知事による要請・勧告等と保険医療機関指定上の取り扱いの厳格化を組み合わせた措置の導入を提案。ただ、内容は当初案よりも緩和され、保険指定の取り消しにまでは踏み込まなかった。省内での最終調整を経て、政府が年内に策定する「医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージ」に反映させる。
診療所医師の偏在への対応では、外来医師偏在指標が標準偏差値の数倍を超えるような地域を新たに「外来医師過多区域」に設定。当該地域の新規開業希望者に対して医療法に基づき、開業6カ月前に提供予定の医療機能等の届出を求める。
制度運用に際して都道府県は、事前に地域で不足する医療機能等(休日・夜間の初期救急、在宅医療、土日の代替医師としての従事等)を公表することとし、新規開業の事前届出に地域で不足する医療機能等が含まれない場合は、当該開業希望者に地域の外来医療の協議の場への参加や、地域で不足している医療機能等の提供を要請できることとする。その上で、開業後に要請した医療を提供していない診療所には都道府県医療審議会での説明を求め、正当な理由が認められない場合は勧告を行い、従わない場合は公表する。
■健康保険法上の対応に保険医療機関指定の取り消しは盛り込まず
勧告等の効力を高めるため、健康保険法上の措置も講じる。具体的には開業前に要請を受けた診療所の保険医療機関指定の期間を通常の6年から3年に短縮する。さらに3年後の指定更新時には、都道府県医療審議会等が地域に不足している医療機能の提供などの地域医療への貢献状況を事前に確認。問題があれば勧告を行い、勧告を受けた診療所の指定期間を3年よりもさらに短くすることを可能にする。これら一連の対応については制度施行後5年目を目途に医師偏在対策としての効果を検証し、必要に応じて見直しを行う。
一方、医師少数区域での勤務経験を求める管理者要件は、(1)対象医療機関に公的医療機関、国立病院機構・地域医療機能推進機構・労働者健康安全機構が開設する病院を追加、(2)医師少数区域等での勤務経験期間を1年以上に延長―などの見直しを行う。
出典:Web医事新報
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