2024.08.16
3

電子処方箋の導入率、病院1.84%、診療所3.90%―厚労省が早期対応を要請

人材不足のご相談はこちら

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚生労働省は8月9日のマイナ保険証の利用促進に関するオンラインセミナーにて、電子処方箋の導入状況を報告しました。それによると電子処方箋は医療機関でほとんど運用されていない状況が続いていることがわかりましたが、政府は2024年度中に概ねすべての医療機関・薬局が導入することを目標に掲げており、厚労省は診療報酬や補助金などを活用して早期に対応するよう呼びかけています。デジタル庁は同日のセミナーで、①医療費助成の受給者証、②医療機関の診察券―をマイナ保険証と一体化するためのレセコン改修費用等の補助金制度についても説明しています。

  

厚生労働省は8月9日のマイナ保険証の利用促進に関するオンラインセミナーに、電子処方箋の導入状況を報告した。それによるとオンライン資格確認システム導入施設に占める電子処方箋運用開始施設の割合は、8月4日時点で病院が1.84%、医科診療所が3.90%、歯科診療所が0.21%にとどまっていることが分かった。一方、薬局は41.11%で全体では13.36%だった。電子処方箋は医療機関でほとんど運用されていない状況が続いているが、政府は2024年度中に概ねすべての医療機関・薬局が導入することを目標に掲げており、厚労省は診療報酬や補助金などを活用して早期に対応するよう呼びかけた。

  

このうち診療報酬に関しては、2024年度改定で新設された「医療DX推進体制整備加算」は、25年4月から電子処方箋の導入が施設基準に追加され、未導入の場合は算定できなくなる。一方で24年10月にはマイナ保険証の利補助金に関して厚労省は、社会保険診療報酬支払基金を申請先とする既存の仕組みのほかに、都道府県による助成を行うための財源を23年度補正予算で確保したと説明した。現時点で実施が決まっているのは、青森、秋田、山形、福島、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、富山、長野、愛知、三重、大阪、広島、山口、福岡、熊本―の18都府県で、対象地域は今後も増える予定。その地域にある施設は支払基金の補助金と都道府県の補助金を併せて受給でき、導入費用に対する財政支援の割合は最大で病院が1/2、診療所が3/4になる見込みとなっている。

 

用率が10%以上の医療機関における加算の評価が現行の8点から11点または10点に引き上げられることから、厚労省はこの加算による収入を電子処方箋の導入に活用するよう促した。

 

■診察券等とマイナ保険証の一体化のためのレセコン改修を支援―デジタル庁

 

一方、デジタル庁は同日のセミナーで、①医療費助成の受給者証、②医療機関の診察券―をマイナ保険証と一体化するためのレセコン改修費用等の補助金制度について説明した。マイナ保険証1枚で受診を可能とする患者の利便性の向上と、医療機関の窓口における事務負担の軽減が目的。

 

このうち①の医療費助成の受給者証との一体化は、公費負担番号や自己負担上限などの情報を医療保険の資格情報とともに取り込めるようにするもの。ただし、医療費助成の受給者証のオンライン資格確認に参加する自治体に所在する施設のみが対象となる。現時点では都道府県20団体、市町村136団体の参加が予定されており、自治体名や受給者証の種類はデジタル庁のホームページで確認できる。

 

②の診察券との一体化(マイナ診察券)は、診察券番号を窓口で入力しなくても患者情報がレセコン画面に反映されるようになるもの。

 

補助上限額は、診療所が5.4万円(事業費上限7.3万円の3/4)、病院は28.3万円(事業費上限56.6万円の1/2)。なお、病院では再来受付機等の改修を合わせて行った場合、マイナ保険証の利用実績に応じて補助上限額は40万円または60万円となる。

 

①と②の改修は別々の機会に実施することは可能だが、その場合でも補助金の申請は一括で行わなければならない(複数回の申請は不可)。両方の改修を行う場合は、費用を合算した上で上記の上限額が適用される。このため、たとえば診療所が両方の改修を実施した場合も上限額は5.4万円となり、倍の10.8万円を受け取れるわけではない点に注意が必要。改修完了後に領収書などの必要書類を用意して、支払基金と国保中央会が共同で運用する「医療機関等向け総合ポータルサイト」から申請する。申請期限は25年1月15日。

  
ご相談・お問い合わせはこちら

 

出典:Web医事新報

  

  

会員登録はこちらから

採用のご相談や各種お問合せ・資料請求はこちら【無料】 

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP