2024.08.01
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新型コロナの感染拡大に備えた保健・医療提供体制の確保を―厚労省が事務連絡

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚労省は新型コロナ感染者の増加を受け、7月24日に都道府県に対し、保健・医療提供体制の確認を要請しました。今夏に想定される感染拡大に備え、幅広い医療機関での発熱外来や入院受け入れが可能となるような体制の整備を求めています。また、感染拡大に備え、医療機関間の役割分担や高齢者施設との連携を強化するよう指示しています。特に、感染対策向上加算を届け出ている医療機関との連携を重視し、高齢者施設も同加算の取得を進めるよう求めています。

    

全国で新型コロナウイルス感染症の患者が増加傾向にあることを踏まえ、厚生労働省は7月24日付で都道府県に事務連絡通知を発出し、感染拡大に備えた保健・医療提供体制の確認を要請した。医療・介護関係者や消防機関とも連携した上で、外来・入院医療体制や高齢者施設等における対応の強化などに取り組むよう求めている。

 

新型コロナの医療提供体制は、2023年5月に感染症法上の位置づけが5類感染症に変更されたことを受け、24年4月からは幅広い医療機関が自律的に対応する体制に移行している。このため事務連絡では、今夏に想定される感染拡大に備え、幅広い医療機関での発熱外来や入院受け入れが可能となるような体制の整備を要請。その際には感染症法に基づいて都道府県と事前協定を締結している「第一種協定指定医療機関」(病床確保)や「第二種協定指定医療機関」(発熱外来の実施)に「協力を依頼することも考えられる」と指摘している。

 

感染拡大局面において特定の医療機関に負担が偏らないようにする観点から、医療関係者や消防関係者等との間で医療機関間の役割分担を改めて確認することも求めた。特に、円滑な入院調整のためには、症状悪化の際の転院(いわゆる上り搬送)を担う医療機関、症状軽快の際の転院(いわゆる下り搬送)を担う医療機関、特別な配慮を要する患者(妊産婦、小児、認知症・がん・透析患者など)の受け入れを担う医療機関などの役割分担が重要になるとし、留意を促した。

 

■高齢者施設等は「感染対策向上加算」届出施設等との連携体制確保を

  

高齢者施設等での対応では、診療報酬上の「感染対策向上加算」を届け出ている医療機関への協力依頼も念頭に、医療機関との連携体制確保に努めるよう要請した。同加算の施設基準には、介護保険施設等からの求めに応じて施設に赴き、実地指導や合同研修などを実施することが望ましい―との規定があるため。

 

高齢者施設側には、24年度介護報酬改定で新設された「高齢者施設等感染対策向上加算」の取得を進めることで平時から医療機関と連携することを求めている。同加算では、新興感染症対応としての「第二種協定指定医療機関」との連携に加え、新型コロナの感染拡大時の医療機関との連携体制を引き続き確保することが算定要件に定められている。

 

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出典:Web医事新報

 

 

 

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