2024.06.28
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スポーツと医療の連携促進へ スポーツ庁に要望書
委員会の答申踏まえ 日医

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医師会の運動・健康スポーツ医学委員会は、2022年6月に「健康スポーツ医学実践ガイド」と「運動・スポーツ関連資源マップ」を活用し、医師や行政、スポーツ関係者が連携して健康増進を図ることが重要だとする答申を提出しました。運動習慣の普及が進まず、生活習慣病やフレイルが懸念される中、医師の運動処方と専門家の指導で安全に運動を行うことが可能としています。また、運動指導の研修会や動画の公開を提言し、スポーツ庁に対して運動習慣化促進事業の拡充を要望しました。

      

 日本医師会の運動・健康スポーツ医学委員会は、2022年6月に刊行した「健康スポーツ医学実践ガイド」(文光堂発売)と、運動やスポーツを行える施設などを地図上で示す「運動・スポーツ関連資源マップ」を活用し、医師や行政、スポーツ関係者など多職種が連携して健康増進を図ることが重要だとする答申を松本吉郎会長に提出した。さらに答申の内容を踏まえ、松本会長と茂松茂人副会長、長島公之常任理事は、スポーツと医療の連携促進に向けた要望書をスポーツ庁の室伏広治長官に提出した。【渕本稔】

 

 答申では、運動習慣を持つ人の割合に増加の傾向が見られず、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病やフレイルをはじめとする健康障害が加速することを懸念している。また、「運動は健康によい」と考えていても、運動でひざを痛めるといったネガティブな経験から運動をためらう人も少なくない。

 

 一方で、医師の運動処方の下、運動やスポーツの専門家が指導に当たることで安全に運動を行うことが可能だとし、運動やスポーツを通じた健康づくりに向けて行政が基盤を作り、医師会やスポーツ関係者が共同でネットワーク作りを模索する必要があると訴えている。

 

 そうした取り組みの一環として、ライフステージや疾患別の運動処方や指導の在り方などを示した「実践ガイド」を活用し、内容に準拠した研修会や講習会の実施や、「実践ガイド」の項目に対応した動画を作成し、一般の人にも無料で公開するなどの方策を提言した。

 

 健康スポーツ分野を担当する長島公之常任理事は26日の定例記者会見で、学校現場では子どもたちの運動習慣は運動過多と運動不足に二極化していることから、「整形外科医や健康スポーツ医が学校医と協力体制を築くことが課題」だと指摘した。

 

 運動やスポーツに制限や配慮が必要な高齢者など、健康状態に応じて運動やスポーツを行える場所や環境を見える化する「運動・スポーツ関連資源マップ」については、都道府県医師会や郡市区医師会に対し、健康スポーツ医を中心とした協議の場を設けた上でマップの作成支援を行ったり、「健康日本21」のアクションプランにマップの活用を取り入れるよう働きかけたりするなどの取り組みを求めた。

 

 答申の内容を踏まえ、松本会長らはスポーツ庁の室伏長官に対し、運動やスポーツの習慣化促進事業やその中のマップ事業の拡充、継続的な補助事業の実施などを求める要望書を19日に提出。室伏長官は「心身の健康に寄与するスポーツを習慣化する事業について、25年度の概算要求の中でしっかりと取り組んでいきたい」と応じたという。

  出典医療介護CBニュース

 

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