2024.05.23
3

超早期段階のアルツハイマー病を血液から予測
臨床情報との組み合わせでさらに精度向上 東大

メディカルサポネット 編集部からのコメント

東大の研究グループは、アルツハイマー病(AD)の原因物質であるアミロイドベータの脳内蓄積を血液バイオマーカーで超早期に高精度で予測できることを発表しました。この研究では、病因タンパク質をバイオマーカーとして定量し、アミロイドPET検査と比較して約80-90%の識別能を示しました。血液バイオマーカーの実用化により、ADの早期診断が簡便になり、治療や予防への進展が期待されます。

      

 東大の研究グループは23日、アルツハイマー病(AD)の原因物質とされるアミロイドベータ(Αβ)の脳内蓄積を血液バイオマーカーによって超早期の段階から高精度で予測できたことを発表した。血液バイオマーカーが実用化されれば、ADの早期治療や予防への取り組みが大きく進展する可能性がある。【渕本稔】

 

 研究グループは、ADのプレクリニカル期(無症状期)と軽度認知障害(MCI)の474人の血液検体を使用。Aβやリン酸化タウなどの病因タンパク質をバイオマーカーとして定量し、アミロイドPET検査による画像検査と比べてAβの脳内蓄積をどの程度正確に予測できるかを検討した。

 

 その結果、認知機能正常群やMCI相当群、全体を対象にしたいずれの解析でもアミロイドPET検査による画像検査と比較して8-9割程度の識別能が得られた。また、年齢や性別、ADの発症リスクが高いとされるApoE遺伝子情報などを各バイオマーカーに組み合わせることで識別能はさらに向上し、極めて高い精度で予測できることが分かった。

 

 ADの治療を巡っては、進行を遅らせる新薬「レカネマブ」の製造販売が2023年9月に承認され、早期のAD患者を対象に治療が始まっており、脳内Aβの早期検出が重要になってきている。

 

 しかし、現在採用されているアミロイドPET検査や脳脊髄液検査によるバイオマーカーの測定は実施可能な医療機関が限られ、費用が高額なことや侵襲性を伴うことも課題となっている。

 

 研究グループは「血液バイオマーカーが実用化されれば、より簡便に早期の診断が可能になるため、ADの早期治療や予防に貢献できると期待している」としている。

 

 

  出典医療介護CBニュース

 採用のご相談や各種お問合せ・資料請求はこちら【無料】 

    


採用のご相談や各種お問合せ・資料請求はこちら【無料】

 

 

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP