2018.02.22
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認知症への対応力や精神科救急医療を強化~福島県が新病院の基本計画公表

メディカルサポネット編集部からのコメント

福島県唯一の公立精神科単科病院・県立矢吹病院の建て替えにより新設される「こころの医療センター」(仮称)の基本計画が明かされました。超高齢化社会を見据えた認知症への対応力、そして精神科救急医療が強化されるそうです。

 

福島県は、「こころの医療センター」(仮称)の基本計画を公表した。精神科単科病院の県立矢吹病院(矢吹町、199床)を建て替えるもので、認知症への対応力や精神科救急医療を強化する。【新井哉】

 

1955年に設立された同病院は、県内唯一の公立の精神科単科病院としての役割を果たしてきた。ただ、82年の全面建て替えから30年以上が経過し、時代に合わない構造的な問題や建物の老朽化が課題となっていた。

 

基本計画では、新病院での主な取り組みとして、▽地域生活支援の強化▽精神科救急医療の強化▽震災ストレスへの対応―を挙げている。特に認知症については、認知症疾患医療センターを設置し、「県南地域における認知症疾患に関する診断・治療・専門医療相談や研修などを実施する」との方向性を示している。

 

また、医師の増員によって「段階的に精神科の夜間・休日の常時救急医療体制を整備する」と明記。統合失調症などの幻聴・妄想による重大な他害行為を行った人に対しては「最先端の専門的な精神科医療を提供し、社会復帰までを支援する」としている。

 

現在診療が行われていないアルコール依存症、薬物依存症に対する医療を提供することも検討するほか、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故によって強いストレスを感じた子どもや親の心のケアなどを長期的に支援する方針を示している。

 

新病院の整備方針も示しており、設計条件に関しては「現病院の位置に新病院を整備する」と明記。病床数については、地域の患者数の減少や退院促進の流れに対応するため、社会復帰病床を減らして「150床程度とする」としている。

 

出典:医療介護CBニュース

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