メディカルサポネット 編集部からのコメント一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われているリンゴ病(伝染性紅斑)ですが、妊娠初期に発症すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性があります。国立感染症研究所では、超音波断層検査などで胎児の状態をよく把握することを呼び掛けています。母子手帳の予防接種の後ろに感染記録の記載欄がありますので記入・確認にご利用ください。 |
頬が赤くなることからリンゴ病とも呼ばれる「伝染性紅斑」が流行の兆しを見せている。首都圏や東北地方を中心に感染が拡大。東京都内の一部地域や仙台市では警報基準値を上回った状態が続いている。宮城県は、妊婦が感染した場合、胎児の異常(胎児水腫)や流産を引き起こす恐れがあることを挙げ、注意を呼び掛けている。【新井哉】
伝染性紅斑の流行状況を取り上げた仙台市感染症発生動向調査情報(週報)
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国立感染症研究所によると、15日から21日までの週の定点医療機関当たりの患者報告数は、前週比約9%増の0.35人。都道府県別では、宮城県が2.31人で最も多く、以下は東京(1.01人)、神奈川(0.92人)、埼玉(0.78人)、新潟(0.75人)、岩手(0.58人)、千葉と山梨(共に0.54人)、山形(0.53人)、沖縄(0.47人)、福島(0.46人)、群馬(0.43人)などの順だった。
伝染性紅斑の患者報告数は、5月ごろから増え始め、10月上旬には、2015年から16年にかけての流行以降で最も多い報告数を記録。感染の拡大に伴い、警報基準値の2.0人を上回る地域が相次いでおり、仙台市は、青葉、宮城野、若林、太白、泉の全区で「警報レベルを継続中」としている。
東京都も患者報告数が「比較的高いレベル」になっていると指摘。特に八王子市保健所管内では、警報基準値の2倍近い3.82人となっている。山梨県も伝染性紅斑に関する報道発表(18日付)で「大きな流行の可能性がある」と指摘。うがいや手洗いの励行に加え、保育園・学校などの集団生活では特に感染予防に注意を払う必要性を挙げている。
伝染性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19感染で、感染した人の唾液、たん、鼻の粘液などに触れ、それが自分の口や鼻の粘膜に付いたり、せきの飛沫を吸い込んだりして感染する。10―20日ほどの潜伏期間の後に頬に赤い発疹が現れ、手や足にも網目状の発疹が現れる。小児が感染してもほとんどが重症化せずに軽快する。
成人では、頬の赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないが、強い関節痛のために歩けなくなることもある。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性がある。
出典:医療介護CBニュース