メディカルサポネット 編集部からのコメント医学部入試における点数操作や、タレント医師の「女性医師が増えたら眼科と皮膚科ばかりになる」などの発言など、医師の性差に関するニュースを目にすることが多くなりました。OECD加盟国のデータによると、日本の女性医師の割合は全世代で20%、OECD加盟国の中で最下位です。初期・後期研修時期と妊娠適齢期が重なる日本の女性医師。近年増えていると言われているものの、35歳未満の女性医師比率は33.5%で、やはり最下位です。日本だけなぜこうなってしまっているのか、現状を指摘するだけでなく、改善に向けたPDCAの意識・取り組みが必要です。 |
医療現場で働く医師たちが感じる男女の業務や働き方の差には、体力面や力仕事への対応など、一般の職種に広く共通するものから、「当直」など医療に特有なものも存在する―。
CBnewsでは、8月17日から9月3日にかけて、インターネット上で医師を対象に読者アンケートを実施した。男女によって業務や働き方に差があるかどうかなどを質問し、医師112人から回答を得た。【越浦麻美、兼松昭夫】
■医師の業務に男女差ある?
その結果、男性と女性の医師とで業務内容や働き方などに差があると答えたのは82人(73.2%)で、「ない」は30人(26.8%)だった。
■男女差を感じるのは「当直」や「休みの取り方」
実際に男女差を感じる業務や働き方では、「当直」や「休みの取り方」「オンコール」などを挙げる医師が多かった。40歳代の男性は、女性医師は早く帰宅するのに、給料が一緒は「おかしい」。さらに、「(有休の消化が多い女性医師に比べ)こっちは有休消化できない」「女性が働けず不公平という声がほとんどだが、男性は子どもと過ごせないのも不公平だ」などと、業務量と報酬の差が見合わない状況を疑問視した。また、50歳代の男性は、出産や子育ての時期に夫の協力がなく、妻が対応するしかないため「女性に負担がかかりすぎていることが大きい」と指摘した。
■診療科の選択にも男女差が影響?
外科に入局希望を出したら、「体力面で女子には無理だ」と教授から入局を断られた(50歳代・女性)、ハードな業務の外科に「女性医師の参加が少ない」(60歳代・男性)など、診療科を選択する場面でも男女差を感じるという意見があった。
そのほか、「女性ならではの患者対応」(80歳代・男性)、「むしろ女性医師のほうがしっかりとして細やかな配慮がある場合もある」(60歳代・男性)などと、女性医師の丁寧さを指摘する男性医師の声もあった。「体力が必要な治療は多く、女性には対応できないことも多い」「暴力的な患者や家族の対応は男でなければできないこともしばしば」(60歳代・男性)、「手術の適性は男女でかなり違うのではないかと感じる」(40歳代・男性)という意見もあった。
出典:医療介護CBニュース