2022.12.13
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【読者アンケート結果】供給不安「非常に感じる」が56%(11月テーマ:医薬品供給を安定化するには)

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚労省で議論が進められている医薬品の迅速・安定供給のための流通・薬価制度見直しについて、医事新報社が11月に実施した読者アンケートの結果が報告されています。それによると8割以上の読者が医薬品の供給不安を実感していることが明らかになりました。医薬品の安定供給のために薬価制度の抜本改革が必要かの質問には、50%の読者が「抜本改革の必要はないが、見直しは必要」と回答しました。また、医薬品の安定供給のための具体的な改革案として、自由記載欄に寄せられた意見が紹介されています。

                      

  

一部ジェネリック医薬品メーカーのGMP違反問題に端を発して医薬品の供給不安が全国に拡大、新薬の国内導入の遅れも深刻化している状況を受け、厚労省の有識者検討会で、医薬品の迅速・安定供給のための流通・薬価制度見直しの議論が進められています。Web医事新報チャンネルでもこの問題をテーマに厚労省OBによる対談を緊急企画、11月24日より配信を開始しました。

  

11月のアンケートで読者の皆様に「医薬品の供給不安を実感しているか」お尋ねしたところ、「非常に不安を感じている」との回答が56%に上り、「どちらかと言えば不安を感じている」を合わせると8割以上の読者が不安を感じていることがわかりました。一方、「安定供給のために薬価制度の抜本改革は必要か」との質問に対しては、「抜本改革の必要はないが、見直しは必要」との意見が50%と最も多いという結果になりました。

    

具体的な改革案については、「薬価の毎年改定で製薬メーカーは疲弊しきっている。『技術立国』として研究・開発が報われる制度にしてもらいたい」(東京・開業医)などの要望・意見が寄せられました。以下、主なご意見を紹介します。

   

医薬品の安定供給のための具体的な改革案(自由記載欄に寄せられた主なご意見)

   

●薬価の毎年改定で製薬メーカーは疲弊しきっている。政府の後発品推奨も相まって創薬などバカらしくなっているのではないか。「技術立国」として研究・開発が報われる制度にしてもらいたい。(東京・開業医)

  

●薬価差益などの問題があったが、創薬については薬価を高くして採算を取れるようにしたほうがいい。安定供給の意味では、薬価を決めるだけでなく、政府が年間使用量を把握してメーカーと契約するなどすべきだ。国民にも必要な薬剤はきちんと開示しておくべきと思う。(大阪・勤務医) 

  

●仕組みは社会主義的統制経済でないが、医薬品の供給体制は非計画的だ。製薬会社は利潤を無視している。製造と流通を統括して統合すべき。(兵庫・開業医)

  

●「粗製濫造→製造不正発覚→出荷調整」が繰り返されている。後発品(ジェネリック)の薬価設定が製薬会社の存続(原料購入、製造) 

  

●製造販売企業を中心とした在庫放出や増産対応等を通じた安定供給の確保が必要。(埼玉・勤務医)

  

●医療は世界で必要とされる。原材料から製造管理まで日本産の医薬品を世界に輸出し、産業を活性してほしい。(東京・勤務医)

  

●公定価格と実際の流通価格の二重構造はダンピングのリスクをはらみ、ひいては品質管理の劣化にもつながる。質を落として薬局に廉売するメーカーが得をする構造は改革すべきだ。(神奈川・開業医)

  

●薬価制度を変えるには相当の時間と知恵が必要と感じる。現状、安定供給のかなわぬ事例が多すぎて(とはいえ戦中の砂糖のように、あるところにはあるという理不尽さあり)、何をもってこの現実が改善されるのかさえ考察が及ばない。コロナの影響…という言葉だけではもう太刀打ちできない状況とも感じる。(東京・薬剤師)

   

●赤字医薬品を開示すべき。代替薬がなく必要性の高い薬剤であれば値上げが必要。(埼玉・その他)

   

  

 出典:Web医事新報

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