2018.09.05
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腹腔鏡下胆嚢摘出術などの事故再発防止策を提言へ
医療安全調査機構、9月中に

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医療事故が発生した際、医療機関は院内調査を実施し、医療事故調査・支援センターに報告を行っています。センターでは、テーマごとに再発防止に向けた提言書を作成しています。9月は腹腔鏡下胆嚢摘出術などに関する医療事故の再発防止策を提言する予定です。あってはならない医療事故、過去の事例は繰り返さないためにも、徹底的に分析されます。

 

 日本医療安全調査機構は6日に開いた医療事故調査・支援事業運営委員会で、腹腔鏡下胆嚢摘出術などに関する医療事故の再発防止策を9月中に提言する方針を示した。提言は、医療事故が起きた医療機関からの院内調査結果の報告に基づくもので、現場での活用を促す狙いがある。【松村秀士】

 

 

医療事故調査・支援事業運営委員会の様子(6日、東京都内)

 

 医療事故調査制度では、医療事故が発生した医療機関は院内調査を実施し、その結果を「医療事故調査・支援センター」(センター)の業務を担う同機構に報告する必要がある。遺族や医療機関が、第三者機関にも医療事故の調査をしてもらいたい場合、センターに調査を依頼することができる。院内調査結果の報告を受けた同機構は、それを分析して再発防止策を提言している。

 

 この日の会合で、同機構はこれまでに報告があった院内調査結果のうち、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」と「胃管の挿入」を分析テーマに選び、それらの医療事故の再発防止に向けた提言書を月内に公表することを明らかにした。提言の内容については、機構内の別の委員会で承認済みだという。

 

 また、同機構は今後、「人工呼吸器関連」「画像検査」「転倒・転落」「大腸内視鏡前処置」「肝生検」に関する医療事故の再発防止策も提言する方針を示した。

 

 再発防止策を巡っては、同機構はこれまで、「中心静脈穿刺合併症」「急性肺血栓塞栓症」「注射剤によるアナフィラキシー」「気管切開術後早期の気管切開チューブ逸脱・迷入」を分析テーマにした提言書を既に公表している。

 

■8月の院内調査結果報告は32件

 

 同機構は会合で、医療事故調査制度に関する現況報告を行った。8月の医療事故報告は41件(累計1102件)で、診療科別の内訳は外科が7件、内科と消化器科が共に5件など。また、同月の院内調査結果報告は32件(同787件)、センターへの調査の依頼は3件(同73件)だった。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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