メディカルサポネット 編集部からのコメント目立った症状がないことから患者の3分の1は感染に気付かないと言われている梅毒。男性は20代から40代の幅広い年齢層から、女性は20代前半からの届け出が多い傾向があります。2017年の患者数は5820人でしたが、2018年は7000人に達するであろう勢いです。早期発見、早期検査、早期治療が重要です。 |
梅毒患者が急増していることを受けて、日本医師会(日医)は、梅毒診療ガイド(ダイジェスト版)を作成し、会員の開業医らに配布した。国立感染症研究所によると、梅毒患者は特に2014年ごろから急増し、17年には5820人に上っている。日医が5日に開いた定例記者会見で平川俊夫常任理事は、18年度末には「7000人に達するのではないか」「近年の梅毒患者の増加は特異的」などと述べた。【越浦麻美】
診療ガイドについて説明する平川常任理事
診療ガイドは、日本性感染症学会などと協力して作成したもので、梅毒が疑われる場合の症状を記載したチャートや、治療方法などをまとめた。平川常任理事は、「あらゆる診療科が常に梅毒の増加を念頭に入れて、疑わしい症状があれば、まず検査をして梅毒でないことを確かめる」ことが必要だと注意喚起した。
感染研の集計によると、性器クラミジア感染症などの性感染症は09年以降、軒並み減少傾向か横ばいなのに対し、梅毒は10年以降増え、特に14年ごろから急増している。平川常任理事は「近年の梅毒患者の増加は特異的」と指摘し、「研究段階」と断った上で、スピロヘータの株が20世紀の後半から変化してきているという説もあることを明らかにした。
梅毒は、異性間性交渉で感染するケースが多いため、平川常任理事は、患者本人だけでなく、パートナーの医療機関への受診を医療関係者が促したり、検査項目に「梅毒」がある妊婦健康診査の受診を徹底したりするよう医療機関に呼び掛けた。
出典:医療介護CBニュース